どこからどういうふうに変化していくかを細かく考えていきました

撮影/稲澤朝博

――鈴鹿さんも監督から言われたことはありましたか。

鈴鹿:達郎は「人を人として見ていない」と言われました。見下しているというか。先生に対しても、自分がすでにわかっていることを教えるから、意味のないことをやっている人とか、ゲームが自分より下手な人とか、そういう感じで人を見ているという話をされました。

でもそういう達郎に一緒に戦う翔太と亘という仲間ができて、一緒にゲームをして、一緒に目指すものがあって進んでいく中で、閉ざされていたものが開けていったり、見ないようにしていたものに視点がいくようになったり、そういう変化が見せられればいいねという話もしました。

©2023映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』製作委員会

――達郎は3人の中でも、特に成長が見えるキャラクターだと感じました。変化の加減は自然とできたものなのでしょうか。

鈴鹿:その辺りは少し撮影前に考えました。限られた登場シーンの中で描かれていくので、「ここら辺から翔太に対して、ゲームが下手なところを受け入れられるようになる」とか、亘に対しても、家族に対しても、達郎自身に対しても、何となく全体を一回俯瞰で見て、どこからどういうふうに変化していくかを細かく考えていきました。

ただ考えていったところで、現場で変わることもあるので、そこはやりながらその都度「こうかな?」と調整しながらやっていきました。

©2023映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』製作委員会

――お互いを見ていて、この部分は役柄と重なると思うところはありますか。

奥平:わからないです(苦笑)。達郎のことをよく知らないというのもあるけど。

鈴鹿:でも、昨日、(奥平と)一緒にゲームをしたんですよ。その時に、一瞬達郎を出したの気づいた? 「へたくそ!」って言ったじゃん(笑)。

奥平:あははは。言ってましたね。僕の(キャラクターの)動かし方が下手だったんですよ。それで「へたくそ!」って(笑)。

鈴鹿:達郎と翔太っぽい感じを出そうと思って(笑)。でも、翔太と似ているところと言われても……(奥平の)恋愛も知らないし、学校生活も見てないから。

――例えば、翔太のつい周りに合わせてしまうところとか。

鈴鹿:すごく(奥平は)しっかりしています。嫌なものは嫌、好きなものは好きって、自分をちゃんと持っている人だと思うので。そう考えると、お互いに(役と重なるところは)ないのかも。

奥平:そんな気がします。