ドラマや映画を観て韓国の食べ物に興味をもち、現地で韓国料理を食べることを楽しみにしている人が多い。
今回は韓国らしい韓国料理を、ソウル育ちの女性ライターに教えてもらった。
韓国料理ビジュアル大賞の有力候補
韓国料理らしい韓国料理というと日本の人は何をイメージするだろう?
長らく韓国=焼肉のイメージが強かったので、韓国ドラマにもよく登場するサムギョプサルを思い出す人が多いかもしれない。辛い物が苦手な人でも食べられるという点ではソルロンタン(牛骨や牛モツの白濁スープ)も存在感があるだろう。トッポッキなどのストリートフードも認知度が高そうだ。
今回紹介するのは、韓国ドラマにはめったに登場しないが、韓国人には人気のある食べ物、トンテタンだ。
トンテは漢字で書くと凍太。凍太は冷凍させた鱈のこと。タンは湯。スープのことだ。おすすめの店は東大門エリアから徒歩圏で、ソウル旧市街(漢江の北側)を横断する清渓川の近くの「クァンジュ・シクタン」。
料理のメニューはこれだけなので、黙って座ればトンテタンが出てくる。
この店のトンテタンは、オレンジ色のあつあつスープに骨付き鱈の身と大根と豆腐がゴロゴロ入っていて、青ネギと小エビがトッピングしてある。
材料はシンプルだが、鱈と大根と豆腐をうず高く盛り付けてあるので、大変迫力があり、食欲をそそる。
魚介系のダシがしみた大根は、魚の煮付けやおでんなどに親しんでいる日本の人には好まれるだろう。
スープはその鮮紅色から想像されるほど辛くない。唐辛子やニンニクがほどよく利いていてごはんが進む。お札くらいの幅と2センチほどの厚みのある豆腐がまろやかで、ホッとする味だ。
つきだしのカクトゥギ(大根キムチ)は口中をさっぱりさせ、歯ごたえのある黒豆の煮物はいい箸休めになる。
ごはんもいいが、トンテタンには酒も合う。行列必至のランチタイムの混雑を避けて、ソジュやマッコリを飲むのもいいだろう。