むずがゆくなっちゃうんです。自分が先輩をやっているのが

撮影/川島彩水

――今回、お二人は先輩・後輩という関係性の役どころでしたが、普段は自分が「先輩」「後輩」どちらの立場のほうが過ごしやすいですか。

加藤:りーくんはまだ先輩っていう年齢でもないんじゃない?

板垣:ホントに最近ですけど、10代とか、3、4歳しか変わらないけど、後輩というか、そういう人たちと関わることは出てきました。とはいえ、先輩と接する機会のほうが多いので、自分が後輩のほうが慣れてはいます。それこそ、年下の子をご飯に誘ったんですけど、そんな自分が気持ち悪くて(苦笑)。

加藤:なんで? いいじゃん!

板垣:むずがゆくなっちゃうんです。自分が先輩をやっているのが。

加藤:客観視しちゃうのかな? 全然いいのに。

板垣:まだ慣れていないんでしょうね。

撮影/川島彩水

――そういう場では先輩としての話もするのですか。

板垣:僕からはしないですけど、聞かれたらそれなりに……。

加藤:相談されるとか?

板垣:そうですね。でも答えている自分がなんか嫌……。

加藤:それはちょっとわかるかも(笑)。

板垣:先輩と一緒にいるほうが好きなんです。それこそ、大河ドラマ『どうする家康』でご一緒した松本潤さんが“殿会”と言って、共演者の方々を集めた会を開いてくださるんですけど、そこで松重豊さん、大森南朋さん、音尾琢真さんとか、年上の方といろいろ話をしたりするのも楽しくて。まだ自分が後輩であるほうが合っているんだと思います。

加藤:僕はもともと先輩・後輩という意識があまりなくて、みんな対等な世界でいたいなという想いが強いので、その辺りは気にせずに接しています。ただいつの頃からか、プライベートで一緒に遊ぶお友達は年下ばかりになってきました。だから遊ぶなら年下の方、お仕事をするなら年上の方と一緒のほうが居心地はいい気がします。

やっぱり子供のときから仕事をしているので、昔から年上の方と接する時間の方が長いからだと思います。

――板垣さんはプライベートも年上の方と一緒のことが多いのですか。

板垣:そうですね。でも上って言っても20代後半とか、近い年齢ですね。

撮影/川島彩水

――本作は『はたらく細胞』というタイトルですが、お二人にとって“働く”とは、どういうものですか。

板垣:難しい質問ですね。なんだろうな……でも、“仕事”という意味でもそうですし、“家事”とか、そういう部分でも、人が人間らしくあるために必要な営みというか。一人の人間として立って、生きているという感覚を芽生えさせるのに必要なもののような気がします。

僕は仕事があるから趣味が楽しくなるし、趣味と言われるようなことだけをやり続けていたら、いずれ飽きると思うんです。

働くって好きとか、嫌いとか、そういうものではなくて。もちろん嫌な部分とか、大変なこともあるけど、それを経ることで人生の楽しみが見いだせたり、より良い、豊かなものになっていくと思うから、やっぱり人間としてあるために必要なものだと思います。

――板垣さんは幼いころから“仕事”をされていたと思いますが、“働く”という意識はいつ頃から持っていましたか。

板垣:小学生くらいのときはほとんどなかったです。正直、高校に入ったくらいからだと思います。明確に自分が“働いてる”っていう意識を持つようになったのは。

加藤:僕は働くのが大好きです。物事に優先順位をつけるのはあまり良くないことだとは思うんですけど、自分の中では一番、働くことが好きです。やっぱり働きたくても働けない時期があったからこそ、今、働けることの楽しさを実感しています。

一時期、オーディションは受からない、バイトの面接すら受からないという時期があったんです。それこそ、ライブ会場の設営とか「これなら受かるだろう」と思うようなバイトも落ちたり。

それが自分の中でとてもつらい時期だったので、今、こうやって映画やドラマに出演させていただいたり、取材を受けさせていただいたりしていることが、本当にうれしいし、楽しいんです。そういうポジティブな気持ちにさせてくれるものが、僕にとってはお仕事なので、大好きだし、もっといっぱい働きたいって思っています。

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インタビュー中も写真撮影も、“先輩”を演じた加藤さんが盛り上げてくださり、その様子が一目で見て取れるお写真となりました。物語の中とはまた違うお二人の笑顔満載の表情は必見です!

日胡の体内の物語、茂の体内の物語、そして日胡と茂の親子の物語と、見どころが満載の本作。板垣さん、加藤さんのコミカルな奮闘ぶりを含め、劇場で存分にお楽しみください。

作品紹介

映画『はたらく細胞』
2024年12月13日(金)より全国公開