印象に残る“悪い目”は、腹が立ったことを思い出しながら

――劇中で見せる鋭い目の演技が印象的です。どんな役作りをされたのでしょうか?

“悪い(人の)目”とはどんなものだろうと、ずっと鏡と向かい合って練習しました。最初に監督から「ジュニョンは優しい目をしている」と言われたので、その印象を消す表情を作ることに意識を集中させました。一番、腹が立ったときのことを思い出しながら鏡を見て(笑)。そうやって家で練習した目の演技を現場で監督に見ていただき「お、いいよ。そのまま続けて」と言われた目でいるように努めました。監督からは「目が課題」と言われたくらいで、あとは僕のことを完全に信じて任せてくださったのでありがたかったです。

――本来のジュニョンさんは悪い人ではないですよね?

もちろん、そうです!(笑)。ただ、スガンを演じているとき、だんだん彼に近づいていきそうになるというか、もしかしたら僕の中にも悪の部分があるのかもしれないと思うと怖かったです。

――腹が立ったときのことを思い出しながら役作りされたということですが、どんなことが頭に浮かんだのでしょうか?

一番腹が立つのが、自分自身の行動。例えば、仕事で準備したものを家に忘れてきてしまったときなんかに。最近、そういうことが多いんです。この前は、イヤホンを無くしたし、財布を落としたこともあって……。

――ドラマ出演が続いて、お忙しいからじゃないですか?

それ、素敵な理由ですね。ありがとうございます!

スタントマンも絶賛! 代役なしのアクション

――今作の見どころの一つがアクション。ワイヤーアクションを含めて代役なしで挑戦され「スタントマンより上手」とアクションスクールの方に言われた出来栄えですが。

もとは、代役の方が演じてくださるという話でした。ただ、ほんの一瞬でも表情が見える瞬間があることがわかり「自分で挑戦してみたいです」とお願いをしたんです。俳優としての欲から始まったことですが、1週間ほど練習したときに後悔しましたね(笑)。撮影に入るまでにシミン役のヘソンさんと三か月くらい一緒にトレーニングしました。もともとボクシングはやっていたのですが、よりスクリーンでカッコよく見せるためにはどうしたらいいのかを意識しながらいろいろとトレーニングしました。

――マスクで顔を隠しているヘソンさん(ハードなアクションの一部をスタントマンが演じている)が羨ましかったのでは?

そうなんです! 撮影しているときにヘソンさんにそう伝えました。監督に「僕も仮面が欲しいです(笑)」と冗談で言ったこともあって。映画でシミンに顔を叩かれるシーンがあるのですが、想像以上に力強かったときには、もしかしたら代役の方かなと疑ったりして(笑)。その場では「大丈夫。問題ないです」と何でもないフリをしましたが、僕、何かしたのかなって自分の行動を振り返りました(笑)。

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