亀梨くんは逃げ回っていました(笑)
©2025「事故物件ゾク 恐い間取り」製作委員会
――中田秀夫監督は渡辺さんのことを「繊細でナイーブ」とおっしゃっていましたが、ご自身ではどう思われますか。
自覚はあるんですけど、監督が僕のどんなところを見てそうおっしゃったのかはわからずで。現場での僕の緊張が見透かされていたのかなと。
監督はあまりテイクを重ねないで、一発目でどれだけ鮮度がいいものが撮れるかというのを大事にされるんですね。そのことを知っているだけに、一発目って緊張するんです。それがバレていたんじゃないかと思います。
未だに僕はライブ前には緊張して手が震えたりするんです。慣れ過ぎてしまうよりはいいのかなとも思いますけど、監督にはかなり内面まで見られていたのかと思います。
――中田監督の現場はどうでしたか。
子どもながらに『リング』(中田監督作のホラー映画。1998年公開)を観て、衝撃が走った世代なので、あんな怖いシーンをどういうふうに作るのかというのは気になっていました。
例えば、後ろから手や髪の毛が出てくるシーンは、先に全部仕込んでおいて、それを逆再生するんです。撮影のときは出ているものを抜いていくんです。そのほうが奇妙な動きが撮れるそうで、それは『リング』のときから使っている手法だそうです。そのやり方で撮ったものを実際に観てみたら、本当に奇妙な動きになっていて驚きました。
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――亀梨さんとのエピソードはありますか。
僕は霊とかに疎いんですけど、亀梨くんは敏感なんですね。僕と亀梨くんと原作者の松原タニシさんでご一緒する機会があったんですけど、その時、亀梨くんは松原さんから逃げ回っていました(笑)。
松原さんが新刊をくださったときも、僕は「頂戴します」と言って、直接受け取りましたけど、亀梨くんは「もういや、いらない!」と言っていて。 前作の撮影のときは、勝手に車のエンジンがかかるとか、相当怖い思いをしたそうです。
――怪奇現象の対処法は教えてもらいましたか。
聞いてみたんですけど、「何が起こるかわからないから難しい」と言われました。お風呂のお湯にお酒や塩を入れて清めるとか、みんなが知っている定番的なことは教えてもらったので、「やってみます」とは答えました(笑)。現場では塩が入っているお清めスプレーみたいなのを振りまいていらっしゃいました。
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――ホラー作品を撮っていると、現場で実際に怪奇現象が起こることもありますが、今回はどうでしたか。
いっぱいありました。映画、ドラマ、テレビのバラエティ番組とか、MV撮影とかも含めて、初めて目の前で何の前触れもなく照明が割れるということはありました。
ただ、劇中に「何でも幽霊のせいにするな」というセリフもあるんですけど、何かと霊のせいなんじゃないかと思えてしまうんですよね。だから本当のところはどうかわからないです。
そのときは「うわっ、絶対おばけじゃん」って思いましたけど、「何でも幽霊のせいにするな」というセリフを思い出して、「たまたまかな」と考えるようにして。それでも、「これがおばけだったら恐いな」とは思っていました(苦笑)。
それから、撮影期間中、普段はあまりならない金縛りに何度かかかりました。亀梨さんから松原さんが現場に来るときは何かが起こると聞いていて。そしたら、その日の現場で仮眠をとっていたら、金縛りにあいました。
けど、それをスタッフさんにそのことを報告しても、前作も撮っているクルーで、ホラーの現場に慣れ過ぎている、少し感覚の違う人たちが集まっていたから、怖いことが起こるとみんなが笑うという。なかなかない奇妙な現場でした(笑)。





























