噛めば噛むほど美味い! ハンバーガーの醍醐味を堪能

坂本さんが焼いたバンズを半分にカット。片面にバターを塗り、鉄板で温める。粗挽きの和牛肉をアイスクリームをすくうような道具で丸める。

パティは1枚120グラム。肉をそのまま鉄板に置き、スマッシュと呼ぶ道具でプレス。ヘラで形を整えたら、ひっくり返し、フタをして蒸し焼きにする。

肉が焼けたら、チーズをのせる。チーズはチェダーチーズで、1枚40グラム。肉が焼き上がったら、下のバンズにオーロラソース、パティに和牛ソースを塗る。

上のバンズにマスタードを塗り、ピクルス、トマト、レタスをのせ、合体させたら完成。

ハンバーガーは、肉だけを食べるものでもなければ、バンズを食べる料理でもない。

肉、野菜、チーズ、ソースなどが1個のバンズにサンドイッチされた、ひとつの料理を丸かじりするのがハンバーガーの愉しみであり、醍醐味。まちがっても分解して食べるものではない。

つまり、どんなにいい肉を使っていようが、バンズが旨かろうが、1個のハンバーガーとして「完成」していなけば、首をかしげたくなる料理になりかねない。

そういう意味で、この店のダブルチーズバーガーは。とてもバランスがいいという印象を受けた。

粗挽き肉が歯と舌にぶつかり、食感が愉快だった。けれど、肉だけが存在をアピールするハンバーガーではなかった。

トマトやピクルスや複雑なソースやバンズも含め、噛めば噛むほど、全体としてひとつの料理として完成されていた。

もう一品、「テリヤキバーガー」(1,100円)を頼んだ。

パティはダブルチーズバーガー同様、1枚120グラム。この店では、テリヤキバーガーにシイタケを使っている。

「焼肉屋でも人気が高い、原木栽培のシイタケです」

スライスしたシイタケを鉄板にのせ、バターでソテー。パティが焼けたら、オリジナルのソースをかけて仕上げる。こちらも全体としてひとつにまとまっていた。

バターでソテーしたシイタケのつるんとした食感。噛みごたえのあるパティ。ひと味もふた味も異なる味わいであった。

富山で焼肉屋とハンバーガーショップを経営する会社が、なぜ歌舞伎町に出店したのか。

「見ていただければわかるように、歌舞伎町は外国人が多いんです。将来海外進出を考えていることもあり、外国人が多い歌舞伎町にオープンしました」

取材中、外国人男性がふたりでハンバーガーを頬張っていた。昼間は日本人客が多いが、夜は圧倒的に外国人客が増えるのだそうだ。

近年、アメリカでは、アメリカアンガス牛と和牛をかけあわせた「US ワギュウ」が人気だ。トレンドを知るハンバーガー好きが、SHOGUN BURGERを訪れるのかもしれない。

【SHOGUN BURGER 新宿店】
住所/東京都新宿区歌舞伎町1-15-12 ピアットビル 1F
電03-5273-4829
営業/12時~翌5時(LO4時)、日曜~24時(LO23時)
無休
※ドリンクとフライドポテトが付くセットはプラス350円。価格はすべて税抜。

 

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。