驚きのおいしさ!『近未来のパン』を実食
パンは全部で約60種類。見たことのない形のパンがたくさん並んでいることに驚くはずだ。
たとえば、グリーンサムのオリジナル・クロワッサンは、三日月ではない。名前は、「サム」(240円)。食べ始めと食べ終わりでは食感が異なるように、形を変形させている。
「ブラックサム」(260円)は、バナナとチョコレートをカカオクロワッサンで巻き、焼き上げた。
八の字の形をした「グリーンサム」は、「オニオン」(270円)、「セサミ」(240円)、「シード」(250円)の3種類。
このパンは、杉窪さん的に表現したベーグルだというのだ。一般的なベーグルとは、どこがどう違うのか。
「ベーグルは、粉っぽいものが多いと思っていました。水分が少なく、発酵中、中途半端に茹でる。そのため芯まで火が入りにくく、生焼け状態のベーグルが多いんです」
それが嫌だった杉窪さんは、水分を増やし、茹でずに食感を出すことにした。結果、モチモチとした、食感が愉快なグリーンサムが誕生。
「この店では、これまでにない形や製法で焼いた、グリーンサムのような『近未来のパン』を提供したいと思っています」
『近未来のパン』とはどういう意味か。
「既存のパンで満足しているかもしれませんが、本当は物足りなさを感じてきたパンもあります。それを現代にあった形に変えていきたい。それが、僕が考える『近未来のパン』です」
「ブリオッシング」(200円)も、杉窪さんが提案する『近未来のパン』のひとつ。
ブリオッシュには卵が欠かせないが、その卵を使用していない。
「卵を使うとどうしてもパサついてしまいます。卵なしでもブリオッシュらしさを損なわないために、バターを増やし、口溶けをよくしました」
ブリオッシングの他、キャラメルをまとわせたナッツを添えた「ナッツファーム」(420円)など、4タイプがある。