『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』 ©2019 CTMG. © & ™ 2019 MARVEL.

“アベンジャーズ最後の決戦”後の世界を描いた、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年6月28日(金)世界最速公開!)。

ピーター・パーカー/スパイダーマンのヒーローとしての成長ぶり、ユーモアやスケールの大きさ、迫力のアクションシーンなど、どれも前作をはるかに上回る傑作!

トム・ホランド版スパイダーマンの魅力に惚れ込むマーベル好き筆者が、ネタバレ無しでレビューします。

 

※本記事には『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレと捉えうる表現が含まれています。ご注意ください。

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フェーズ3はまだ終わってない!『アベンジャーズ/エンドゲーム』の後の世界

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』 ©2019 CTMG. © & ™ 2019 MARVEL.

本作の舞台は、アベンジャーズ最後の決戦より8ヶ月後、異次元の扉が開かれた世界。

冒頭で『アベンジャーズ/エンドゲーム』の結末が、かなりポップに語られており、あれだけの大作の後ながら、シリアスなムードを綺麗に払拭してくれました。

サノスの指パッチンの影響や余波も説明されていて、ピーターが通う学内でも「パッチン組」といった言葉が使われています。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』のシリアスな内容と結末を、重くし過ぎず、でもアッサリし過ぎず、なるべく軽いタッチでサクッと描いてたのが、凄くバランス良かった。

そして、MCUのフェーズ3は、本作でようやく一区切りとなります。

アベンジャーズの物語は完結したけれど、「ああ、まだ終わってないんだ…」と言う感覚も、きちんと思い出させてくれました。

鉄の意志を継ぐ——ピーターに課せられた使命とは?

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』 ©2019 CTMG. © & ™ 2019 MARVEL.

ようやく訪れた夏休み、のはずだったけど…?

決戦の後、ピーターは喪失感を忘れ去るため、再び“親愛なる隣人”として、街の平和に努めていました。

ようやく訪れた夏休みで、思いを寄せるMJや親友のネッドと共に、ワクワクのヨーロッパ旅行に出かけます。

が、元S.H.I.E.L.D長官のフューリーに、新たなる敵“エレメンタルズ”と戦う事を求められます。

普通のティーンエイジャーとして夏休みを謳歌するか、鉄の意志を継ぐヒーローとして戦うべきか、選択を迫られるピーター。

葛藤を抱えたまま、異次元の扉からやって来たヒーロー、ミステリオと共に、厳しい戦いに立ち向かって行きます。

ヒーローとしての責任か、高校生としての青春か

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』 ©2019 CTMG. © & ™ 2019 MARVEL.

『スパイダーマン:ホームカミング』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』での戦いぶりを見てもわかる通り、ピーターはとても優しく頭が良く、責任感の強い少年です。

自分がが果たすべき仕事があるのも分かってはいるけれど、でもまだ16歳。

ヒーローは少し休んで、好きな女の子と一緒に夏休みの旅行を楽しみたい。

そして迫り来る敵を見過ごすことは出来ず、心の奥では戦うべきだとわかっている。

けれど、世界を守る大役までは、まだ背負いきれず、出来ればソーやキャプテン・マーベルのような、自分より強くてしっかりした大人に努めてもらいたい…と言う、戸惑いと葛藤を抱えるピーター。

前作『スパイダーマン:ホームカミング』では、「早く認めてもらいたい、もっと活躍できると証明したい」という、『早く大人になりたい』心情を描き、本作では「まだヒーローとしての責任を果たす覚悟が決まらない」という、『ずっと子どもでいたい』という全く逆の心情を描いており、これがとても面白かったです。

終盤や特にエンドロール後のポストクレジットでは、ピーターが“鉄の意志を継ぐ”事になるかどうかの、布石とも取れるシーンが散りばめられており、新たな“親愛なる隣人”としてのこれからの活躍が、さらに楽しみになりました!