青山さんは以前、あるタレントのトレーニングをしていました。とても忙しいタレントでして、本番のフルマラソン(ホノルルマラソン)までの走力は皇居1週の5km程度でした。そこで青山さんがアドバイスしたのが、「ゆっくり走って速く歩く」

当日、伴走として参加したのですが、走っている最中は「ゆっくり!ゆっくり!」と声かけをし、歩いている最中はテンポが上がるような声かけをしたそうです。結果的にコースの約7割を歩くことになりましたが、タイムは5時間55分の6時間切り。これは想像していたよりも速いタイムではないでしょうか。

ホノルルマラソンでは終盤にダイヤモンドヘッドの上り坂がランナーを苦しめるのですが、その登り坂を颯爽と歩き、トボトボと走っているランナーを追い抜かすという光景がみられたようです。

ここでわかることは、歩くことは大切なこと。もし、初めてのフルマラソンで不安を抱えている方は、歩くことを肯定し、しかも、速く歩けるようペース配分することで、それなりの結果が出せるのです。そうすることで怪我をするリスクも減り、ハマり出したランニングをもっと楽しむことができます。

 

最初のレースで何より大切なことは、レースを楽しんで、その次のレースに繫げること。そのためには、歩いても、いいんです。
 

【書籍情報】『マラソンで自己ベストを出したいなら、全力で走るな!』青山剛著 洋泉社