撮影:映美

――田村さんにとって、大人気作品の初舞台化の座長は、大きな経験になったのではないでしょうか。

田村:座長を務めるとそういうことを聞かれるんですけど、僕は全然何もしてなくて(笑)。引っ張るタイプでもないし、僕よりキャリアがある方が周りにいるから、初めは「どうしよう」と思ったりもしたんですけど。

僕は『ヒロステ』が2回目の座長だったんですが、本当に周りの方が助けてくれるし、座長としてどうあるべきかな?と考えたりもしていたんですけど、周りの人が「心は前だけ向いていればいい。作品は周りが面白くするから」と言ってくださって。だから、あまり気負わずにやれたかなと思います。

――でも、田村さんの演技にとても熱が入っていたので、それにキャストのみなさんも引っ張られた部分はあるんじゃないかな、と見ていて感じました。

田村:いや、逆なんですよね。みんなの熱がすごいから……(笑)。僕からすると、みんなの熱がすごいから僕も熱量で勝負するしかなくて。みんなの熱に必死に食らいついて、応えなきゃという想いで日々やっていたので、そこが『ヒロステ』の面白いところでした。誰かの熱が上がれば、もっと誰かの熱が上がるという良いキャッチボールが出来ていました。

それって『ヒロアカ』の原作の良さでもあると思うんです。誰かに影響を与えて、その誰かがまた影響を与える。それが良い形で舞台にも反映していたなと思います。日に日にお芝居の熱が上がっていくのを肌で感じたし、そこにどう自分が返さなきゃいけないんだろう、というのを考えたりしていたので、とても楽しかったです。

――素晴らしかったので続編があることを願っています……。

田村:やりたいですよ! キャストもみんな言っています! またあのメンバーで集まりたいし、続きがやりたいです。改めて原作をまた1巻から読み直しているんですけど、舞台化したらここはどうなるのかな?どういう演出になるのかな?と考えちゃいます。ぜひ、続きがやりたいですね。

――『ヒロアカ』自体の展開は、TVアニメは10月から新シリーズが放送されますし、12月には劇場版アニメの公開もありますからね!

田村:噂ですけど、すごいらしいですね、劇場版!『ヒロアカ』、熱いです。

ハマりすぎてお店の在庫を全部買い占めた!?

――では、今プライベートでハマっていることは?

撮影:映美

田村:ハマっていることは『ヒロアカ』ですね。ちゃんとハマっています(笑)。

――作品にどっぷりハマっているんですね(笑)。

田村:先日、お仕事で海外に行っていたんですけど、向こうでしか売っていない『ヒロアカ』のおもちゃを買いに行って。ランダム要素のあるトレーディングフィギュアも買って、でもデクが全然出なくて、「もう1個、もう1個」とやっていたら、お店の在庫を全部買ってました。

――え~!! それいくつ買ったんですか?

田村:14個くらいです。

――それで結局デクは出たんですよね?

田村:いや、出なかったので、その後コーディネーターさんにお願いして買ってもらいました(笑)。一緒に行ったスタッフさんに「君はギャンブルはしないほうがいい」と言われました……(笑)。そのくらいハマっていますね。原作もまた読み直したり、ゲームをしたり、劇場版も楽しみです。

――キャストさんがそれくらいハマってくれると、作品のファンも嬉しいと思います。

田村:だって僕は本当に『ヒロアカ』のファンですよ! 漫画も全巻持っていたので、デクに決まったときはかなり嬉しかったです! これからも『ヒロアカ』のファンでい続けます。

――デクを演じてから、作品の見方や印象が変わった部分はありますか?

田村:『ヒロステ』が終わってから原作を読み返すと、また新しい発見がありますね。『ヒロステ』をやったことによって、5巻までの全キャラクターのセリフがほぼ頭に入っているんですよ。その状態で5巻以降を読むと、「あ! あそこであのセリフを言われたから、このセリフが出るのか」とか、いろいろ新しい発見があって読み直すのが面白いです。

憧れはスクールカーストのトップ!

撮影:映美

――今後、挑戦してみたいことは?

田村:俳優として、いろいろなジャンルのお仕事をしたいです。まだあまり映像作品の経験がないので、映像作品にも出たいです。最初に憧れた世界は特撮などの映像作品だったので。もちろん舞台も楽しいので続けたいですけど、良いバランスでやっていきたいなと思います。

――例えば、どんな作品に出てみたいですか?

田村:小さい頃にお姉ちゃんと一緒に学園ドラマをよく観ていたので、学園ドラマに憧れますね。

――当時は何をご覧になっていたんですか?

田村:『ごくせん』とか『野ブタ。をプロデュース』とか、『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』とか。そういう学園ドラマは僕は大好きで、全部観ていました。

――学園ドラマにどんな役で出たいですか?

田村:スクールカーストのトップ!『35歳の高校生』の菅田将暉さんの役がすごく魅力的でいいなと思っていたので、あんな感じのちょっといじめっ子みたいな役をやりたいです。今までそういった役はやったことがないないからこそ、挑戦にはなると思うんですけど、攻めたキャラをやってみたいですね。

でも、最初は端っこの方にいるモブキャラでいいです(笑)。モブキャラで映像の現場を勉強したい。それで、下っ端からカーストのトップまで上り詰めたいです。