どんどん濃くなってます(笑)

――当時の自分と比べて、今の自分の成長を感じたりすることは?

あの頃よりはだいぶ落ち着いたと思います。何に対しても緊張していましたし。

取材なんて記憶がないくらいです。まだ思い返すってほどの年数経ってないのかもしれないですけど、この何年間はすごく濃密だったなって思うんです。

だからこれからもこんな風に濃密な時間を過ごせたらいいな、とは思っています。

――演じることの面白さは濃くなっていますか?

どんどん濃くなってます(笑)。歳を重ねるごとにそれが増してったらいいなって。

――お芝居の現場では刺激を受けることも多いですか?

すごくあります。刺激しかないですね。現場に行って、自分が演じている時だったり、こういう役者さんがいて、こういうお芝居をするんだって知って。「わー、身震いする! 超楽しい!」って感じです。

――この現場でそういうことは?

孝司が時音と自転車の二人乗りをして、思いっきり走ってるときは身震いしてました。こんな幸せなことがあっていいのか~って(笑)。

――あははは(笑)。確かに、これまでの作品ではこういう“ザ・青春”みたいなことはしてないですもんね。

はい(笑)。あとは竹内涼真さんと一緒にお芝居ができたことはすごくいい経験になりました。

太陽の様なパワーがあって、自分とは全然違うタイプの方だったので、そういう方とご一緒できてすごく勉強させていただきました。

人が頑張ることってこんなに素敵!

――改めて、完成作を観ての感想もお聞きしたいのですが、そもそも自分が出演している作品って冷静に観れる方ですか?

楽しんで観ます。冷静に観ようとかは意識してないですけど、こんなことやってたな、とか、このシーンはこんな風になったんだな、とか。今回は全体を通してすごくフレッシュだなって思いました。

僕の中ではわりとずっとテンション高くやっていたんですけど、それがこの映画の観やすさにも多少つながっているのかな?って思ってみたり。

子供から大人の方々まで観ていただける作品だと思いますし、切なさがある中で、人に訴えかける何かがあって、考えさせてくれる作品だと思います。

人が頑張ることってこんなに素敵なんだよっていうのが伝わってくる。

誰かのために必死に頑張るっていう、ある種旧型なことを、時間が止まる中で始まる恋愛っていう恋を描く中で見せるっていうのはいいなって思います。

板垣さんにとっての初恋

――最後に、板垣さんにとっての初恋とは?

一生過去形にならない、とかですかね(笑)。

――あははは(笑)。それ、出演されていた映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』(19年)の?

ラストシーンのセリフです(笑)。でも本当に初恋って一生ものだなって思うので。

誰にとっても初恋ってあるものだし、どういう結末になっても思い出したりすることは悪いことではないと思うので。

『初恋ロスタイム』9月20日(金)公開 配給:KADOKAWA © 2019「初恋ロスタイム」製作委員会

写真撮影では18歳とは思えない大人びた表情を見せてくれた板垣瑞生さん。インタビューでも作品に向き合う真剣な思いを語ってくれました。一方、取材の合間ではちょっとしたことでよく笑う18歳らしい無邪気な一面も。

瑞々しくキラキラとした表情や、大切な人のために自分を差し出す真剣な眼差しなど、大人と子供の間を行き来する今の板垣さんだかこその姿も見られる、映画『初恋ロスタイム』は、ぜひ映画館の大スクリーンでご堪能を。