ミノは甘みもあり、まったく固くない!
白菜を1枚ずつはがして、塩漬けにする。それをミルフィーユのように重ねる際、ナツメ、タコ、エビ、オキアミの塩辛、季節によりリンゴや栗、ナシなどを入れたものがポッサムキムチだ。
ポッサムキムチも焼き奉行がキッチンバサミで切りわけてくれる。
キムチもポッサムキムチも自家製。唐辛子などの調味料は同じものを使っているようだが、ポッサムキムチは複数の素材を使うため、キムチと食べ比べるとより複雑な味わいが愉しめる。
真打ち登場。これが「ホルモンのオバルタン」といわれる、ゆえんの逸品だ。
上からミノ(牛の4つあるうちの第1胃袋)、テッチャン(牛の大腸)、ハツ(牛の心臓)の3種類。ミノとテッチャンは焼きあがるまでに15分ほどかかる。そのため早く焼けるハツは店からのサービス。
そのハツが焼けたので、先にいただく。これまであまりハツを食べた経験がない。あまり旨いと思った記憶がなかったせいだが、撤回することにした。やわらかくて、滋味な味だった。
焼き奉行が、キッチンバサミを握ったかと思うと、手のひらサイズのミノを3つに切った。その後またしばらく焼き続ける。
3つに切ったミノを今度は半分ほどに切る。一口大に切ったミノの真ん中に、さらに切れ目を入れた。
この後テッチャンを縦半分に切り、それをまた一口大に切り分ける。
15分ほどでミノとテッチャンが焼きあ上がった。これを特製のタレにつけて食べる。
これまで食べてきたミノは、何度も噛まないと飲み込めないものが多かった。ところが、この店のミノは食べやすいだけでなく、甘みもあり、まったく固くない。
「その秘密は、ハサミ使いにあります。肉の大きさ、厚さなどにより、一口大に切ったものに、さらに切り込みを入れることで、食感と食べやすさを配慮しています」
テーブルの上に粒が大きな塩が盛られた皿が置いてあった。
「この塩でホルモンを食べてみてください」
ステーキなら塩とコショウが定番だが、ホルモンを塩で食べて旨いのか。恐る恐るテッチャンに塩をつけてみた。