ママの“権利”をアピールするより大切なことって?
『子どもやママを大事にしてもらえない社会だから家の外に出られない、とばかり考えたら、たしかに外出は難しくなります。
でも……ううーん、どういったらいいのかしら。
子連れママやプレママの、とりわけ授乳マナーを考える時に「子どもを大事にする」とか「ママを大事にする」ということより、ポイントになることがあるような気がするんです。』
――「子どもやママを大事にする」より、大事なことがあるということですか。
『いえ、子どもやママはもちろん、とーっても大事です(笑)。
でも、着眼点を変えてみたらどうかしら。
アピールするのではなく、その場に“そっといる”ようにしてみたら?いわば“波風を立てない”ように。
これはトラブルを起こさないようにという意味ではなくて、周りに気遣いを強いないようにするというか。』
――場に“馴染む”ということでしょうか。
『そうですね!場に、社会に“子連れが馴染む”ように。
たとえ目の前に男性がいても、子どもやママにどう接していいか分からない人がいても、気を遣わせなくてもいいように。』
――そんなことって、可能なんでしょうか。
『できます!できるんですよ~ッ!(笑)授乳をしていても、授乳中だということすら分からないソリューションが「授乳服」です。
「授乳服」についてはインタビューの初回でも、授乳シーンの動画付きで詳しくご紹介していますが、赤ちゃんはおっぱいを飲んで満足できますし、ママも胸が見えないから安心ですし、周りも「子どもを抱っこしているんだな」としか思いません。子どもも、欲求がすぐ満たされるから泣くこともなくなります。
つまり、“目立たない”。
硬い言い方をすれば、声高にアピールする必要もなく、そっとママと赤ちゃんの“当然の権利”を守ることができるのです。
「授乳服・ケープどっち? 光畑由佳さんに聞いた“赤ちゃんを泣かせない”コツ【動画あり】」でも少しお話ししましたけれども、ここに授乳服とケープの大きな違いがあります。
今日の冒頭でもお話しした「授乳ケープ」は、胸は隠せるのですけれど、明らかに「授乳してます!」というのが分かっちゃうんですよね。赤ちゃんがぐずり出してから、ケープを着けるまでの間に泣き出しちゃったりすれば、さらに人目を引きますし。
多様性のある社会で子育てをしてゆくには、場を乱さないことが必要になってくると思うのです。
じゃあ外出を我慢しなければならないかといえばそうではなくて、「赤ちゃんと一緒にいたい」、「お出かけしたい」、「でも周りに迷惑は掛けたくない」、そんな望みをすべて、無理なくかなえる選択肢もある、ということ。
母乳での子育ては「コワッ」となるようなものでは、決してないのです。
昨今の「マタニティマークを付ける?付けない?」の議論を見ていても、いまのママたちは社会に対して、本当によく気を遣っていると思います。その苦労は大変なものですが、いろんな立場の人を気遣えるということは、いいことでもあるんです。
その気遣いを産後の子育てにも上手に発揮できたら、とっても素敵なことですよね。』