子連れでも自由に外出できる!仕事できる!“おっぱい×授乳服”徹底活用術
光畑由佳さん(以下、光畑):では【全日本おっぱいサミット】恒例【授乳ショー】をご覧いただきましょう!
光畑:というより実はもう始まっていまして・・・こちらのお母さんたち、ステージ上で赤ちゃんを抱っこして座っていただきましたが、いま授乳をしているところです。
加納:エエッ?
樋口:そうなんですか?全然わかんない。
林:素敵~!スリットなんですか?
村上:服に授乳口があって、でも周りからは見えないんですよ。
光畑:撮影もしていただいて構いません。登壇者の方も、至近距離でも“おっぱい”をあげているとは、言われなければ分からないと思います。赤ちゃんも静かでしょう?
こちらの皆さんはいまでこそ自由にお出かけを楽しんでいますが、こんな風に出歩けていなかった「密室育児」だったビフォーと現在と、経験をお聞かせいただきましょうか。
授乳室へ行かなくてもよくなったことで「上の子の世界も広がりました」
Sさん:この子は3人目で、3カ月になりました。
2人目の時に、外出にはいろいろ思うところがあって、というのも上の子がいると授乳室に行くのも難しい時があるので、お出かけも控えがちになっていたんですが。
授乳服があることで授乳室に入らなくてもどこでも授乳できるようになって、上の子もいろんなところへ連れていけるようになって、世界が広がりました。
光畑:授乳室さえあれば大丈夫、なワケではないということが「公共の場での授乳」を語る時に見過ごされがちなんですよね。特に上のお子さんがいる場合には、おとなしくついて来てくれる子ばかりではないですから。
電車がストップ?「まさかの時にも“おっぱい”があげられれば心強い」
Yさん:この子は1人目で、1歳1カ月になりました。
私はもともと外によく出る人間で、閉じこもっていると鬱々としてくるのが自分でも分かったので、意識的に外出はしていたんですけれども、それでも授乳室に近いところにしか行けないような状態で。
でも授乳服に出合ってからは自由に動けるようになりました。
抱っこして、電車の中で授乳したこともあります。
しかも山手線が止まっちゃったことがあって、赤ちゃんが“おっぱい”を欲しがったので普通にあげながら運転再開を待っていたんですけれども、後々考えたら「この状態で授乳服じゃなかったら、ぐずっている赤ちゃんを抱っこしながら大変な思いをするところだったんだな」と。
光畑:思わぬことへの備え、にもなりますね。
ほかには災害の避難所でも人目を気にせず授乳できて、赤ちゃんも泣かずに落ち着いていられて周りに不要な迷惑をかけずに済むので、いざという時のためにも普段から授乳服を着ている、または避難袋に入れているという方もいらっしゃるようですよ。
「子連れ出勤」という選択肢も!お互いの助け合いでママも赤ちゃんも笑顔に
Tさん:この子は2人目で、5カ月です。1人目がいま6歳で、上の子を産んだばかりの時には世の中から取り残されたようで、すごく寂しく感じたのを覚えています。
それから授乳服のユーザーになって、その販売サイトで「子連れ出勤」募集の案内を見つけました。
ドキドキしながらでしたが勇気を出してやってみたら、それまでの「今日話したの子どもと夫ぐらいだったな」みたいな生活が、同僚のママスタッフや、お客様のママやパパ、おばあちゃん、おじいちゃん、赤ちゃん、いろんな方と触れ合うことができるようになって。
自分の子どももほかの人に見てもらえて、先輩ママに悩みも聞いてもらえて、私が分かることは「こういう風にすると授乳が楽になるよ」とお話ししたり。
すごく気持ちが楽になったというか、社会から取り残されたというのはすっかりなくなって、社会人のひとりという感覚に変わりました。
子どもにとってもいろいろな方に可愛がっていただいて、楽しい赤ちゃん生活を提供できたと思います。
光畑:加納監督のようにお母さんお父さんが20人もいる、という状態ではないんですけど、それに近いようなところがあるのかな。子どもにはどんな影響がありましたか。
Sさん:私も「子連れ出勤」を経験しましたが、子どもが社会に溶け込むのは上手い感じがしますね。
性格もあると思いますし、もちろん人見知りとか、時期によっていろいろあるんですけど、いろんな人から愛された経験があるので、人当たりがよい子に育っているような感じはします。
Yさん:うちも「子連れ出勤」のおかげか、物怖じしませんね。誰にでも愛想がいいので、逆に心配なくらい(笑)。
光畑:「子連れ出勤」については「できるワケない!」「赤ちゃんが泣くでしょ?」「みんなに迷惑でしょ?」という声が多くて、これも度々炎上するテーマなんですが、実際のところはどうですか。
Sさん:“おっぱい”とだっこ、があれば何とかなりましたね。
Yさん:大変だと思ったことはないですね。周りのスタッフも面倒を見てくれて、それに甘えている部分もありますが、子連れだから仕事が難しいと思ったことはないです。
Tさん:パッと見て授乳しているのが分からなければ、周りに気を遣わせることもないですし。
それに自分もあげたい時、赤ちゃんが欲しい時に“おっぱい”をあげられるので、1~2歳くらいまでなら、母乳をあげればすぐ泣き止みますから。
ぐずっちゃって仕事にならないなんてこともなかったので、大変だったというよりむしろ「楽しかったなぁ」という印象です。
林:実は私、子どもが小さい頃に仕事に連れて行ったら、兄から「お前は何を考えているんだ!職場に赤ちゃんを連れて行くなんて甘えるな!」って、すごい怒られたことがあるんです。
そういう意識がお母さんたちを苦しめたりするのかな。皆さんは親戚とかから、何か言われたりとかはなかったですか。
Yさん:幸いそういうことはなかったですが、たぶん言われても、私だったら言い返しちゃう(笑)。
林:さすが!(笑)
Yさん:でも言えないママもたくさんいると思うので、社会にもう一度出てゆきたいけれど一歩が踏み出せないでいるママを、周りが閉じ込めてしまうのではなく、応援して、助けてあげられたらいいなぁっていう風に思います。
光畑:授乳服のモーハウスでは「子連れ出勤」のスタッフを募集しているんですが「美人しか採っていないんですか」ってよく聞かれるんですね。
そんなことは決してないんですが、でもママがこうやって人とつながって、子育てが楽しくなっていくと、みんなイキイキして、キレイになってゆくんですよね。
産後のママたちが「密室育児」から開放される方法は実はすでにいくつもあって、「共同保育」や「一時保育」、あるいは「授乳服」や「子連れ出勤」もそのひとつだと思うんですが、そういうカギを見つけたママたちの背中を、引っ張るのではなくて、押してくれるような社会になるといいですよね。