本と鬼才のコラボレーションとなる6本

『影裏』214()公開

『影裏』2月14日(金)公開 ©2020「影裏」製作委員会

157回芥川賞を受賞した沼田真佑の同名小説を、綾野剛と松田龍平を迎えて『るろうに剣心 最終章 The Final』『…The Beginnig』も控える大友啓史が映画化。

心の深淵に踏み込む人間ドラマが描き出される。転勤の地で得た親友がある日突然失踪。

そこから親友の影の顔、裏の顔が見えてきて……。主人公・今野の親友となる謎の男・日浅を演じた松田は、同作で中国・第2回海南島国際映画祭のベストアクター(最優秀俳優賞)を受賞した。

 『ステップ』43()公開

『ステップ』4月3日(金)公開

結婚3年目、30歳の若さで妻に先立たれた主人公とひとり娘が、周囲の人々との交流の中で成長していく。原作は重松清の同名小説。

10年前に自ら脚本を書き上げ、映画化の許可を取っていた飯塚健が監督を務める。

主演は、『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』『REPLAY & DESTROY』でも飯塚と組んだ山田孝之。

シングルファーザー・健一に扮して、10年の日々を演じる。共演は國村隼、余貴美子、広末涼子、伊藤沙莉、川栄李奈ら。

 『騙し絵の牙』6月公開

『騙し絵の牙』6月公開 ©2020「騙し絵の牙」製作委員会

『罪の声』も映画化される塩田武士が4年にわたって大泉洋を徹底取材し、主人公として当て書きした社会派ミステリーが、本人主演でスクリーンへ。

『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』の吉田大八がメガホンを執る。舞台は出版界。

大泉が扮するのは笑顔の裏に牙を秘めた雑誌編集長・速水輝で、社内で次期社長をめぐる権力争いが起こる中、担当雑誌の廃刊の危機に際して存続を懸けたある策を仕掛ける。

共演は、松岡茉優、佐藤浩市ら。

 『さくら』初夏公開

『さくら』初夏公開

長男の交通事故をきっかけに運命が激変する3兄妹と、愛犬・さくらの姿を温かに描き出す再生と希望のドラマ。

長兄を2005年に出版された作家・西加奈子の小説を映画化したファミリードラマ。

平凡な次男を北村匠海、人気者でヒーロー的存在の長男を吉沢亮、容姿端麗で破天荒な妹を小松菜奈が演じる。

西加奈子の原作に惚れ込み、自分以外誰にも監督させたくなかったと語る『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司がメガホンを執る。

『浅田家!』102()公開

『浅田家!』10月2日(金)公開 ©2020「浅田家!」製作委員会

『湯を沸かすほどの熱い愛』『長いお別れ』の中野量太監督が、写真家・浅田政志の2冊の写真集『浅田家』『アルバムの力』と、彼自身のエピソードを原案に描いた人間ドラマ。

震災を経て、なおも家族を通じて写真に向き合いながら成長していく主人公の姿を映し出す。

家族にさまざまなコスプレをさせて写真を撮るなど、無茶で自由奔放な浅田家の弟・政志に二宮和也。

いやいやながらも弟の撮影に付き合う心優しい兄・幸宏に妻夫木聡が扮する。

 『罪の声』2020年公開

『罪の声』2020年公開 ©2020「罪の声」製作委員会

グリコ・森永事件を基にしたミステリーで、リアリティあふれる描写で話題を集めた塩田武士のベストセラーを映画化。

昭和最大の未解決事件に翻弄されるふたりの男の姿を描く。

事件を追う新聞記者の阿久津に小栗旬、事件の脅迫テープに幼少時の自分の声が使われていたことを知る曽根に星野源。

監督は『麒麟の翼~劇場版・新参者~』の土井裕泰が務め、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』の野木亜紀子が脚本を手掛けている。

わたなべ・みお ライター。マンガ・アニメ・映画などを中心に、雑誌や書籍で執筆。映画の宣伝ライティングも務める。近著に、『このマンガがすごい! 2012』(宝島社/共著)。主な著書に、『プロジェクトTHE LAST MESSAGE 海猿』『ROOKIES-卒業-~軌跡 完全シナリオ&ドキュメントブック』(共にぴあ)など。