舞台『アルキメデスの大戦』が2022年10月1日よりシアタークリエにて開幕となる。
数学者の視点から第二次世界大戦を描くという、かつてない切り口の漫画『アルキメデスの大戦』を原作に、戦艦大和建造の是非をめぐって繰り広げられる、息もつかせぬ攻防戦を描いた本作。主人公の天才数学者・櫂直(かいただし)を鈴木拡樹、櫂を補佐する少尉・田中正二郎を宮崎秋人が演じる。
2年前にはコロナ禍により公演が中止となり、リベンジ公演となる舞台への想いを、鈴木、宮崎のふたりに聞いた。
「無事に完遂したい」2年の時を経て、リベンジ公演への想い
――舞台『アルキメデスの大戦』が2年の時を経て、ついに上演されます。今のお気持ちを聞かせてください。
鈴木 2年前、この舞台の取材もしていただきながら、稽古も出来ないまま中止になってしまいました。今回、ほぼ同じキャストが揃って改めて演じられることがとても嬉しいですし、とても意味のある舞台になると思います。世の中がアフターコロナに向かっている中で、最後まで無事に完遂したいという想いでいっぱいです。
宮崎 拡樹君と同じ想いです。2年という時間が空いて、こうしてまた集まれたことがとても嬉しいですし、今、2年前には考えられなかった社会情勢……ウクライナとロシアも争いがあって。戦争を題材にしたこのお話が身近に感じられるということはとても悲しいですが、さらに使命感、責任感を持ってこの舞台を演じたいです。
――原作や脚本を読んで、どのような部分に魅力を感じましたか?
鈴木 第二次世界大戦という時代背景で、造船に関するストーリーというのは他に無いと思います。世界規模の戦争が起こっている中で、その裏側の話をしているというのは、時代小説や時代作品に詳しい方でも興味深く感じていただけるのでは無いかと思います。
宮崎 さまざまな歴史作品に登場する巨大戦艦「大和」というものに真っ向から立ち向かっていくというストーリーがどのようなものになるのか、今からドキドキしています。大戦の裏側で何が起こっていたのかという頭脳戦はもちろん、僕は櫂とお嬢様(福本莉子が演じる尾崎鏡子)のやりとりがすごく好きで。人間ドラマも楽しんでいただける作品だなと思います。
――鈴木さんは元帝国大学の天才数学者・櫂に挑みます。役柄についてはどんな印象ですか?
鈴木 ひとつ言えるのは莫大な量のセリフです! これをどこまで理解してもらえるのかという所も挑戦のひとつだと思います。数学者ということで、ここまで淡々と会話を進めていく役柄というのは初めでだったので難しさもありますが新鮮でした。
――鈴木さんは数学はもともとお得意でしたか?
鈴木 苦手でした。苦手なので、ベタなのですが2年前に「数学がたのしくなる本」といったものを買って、好きになろうと思ったのですが、途中で断念しました(笑)。数学者には向いていないタイプだなと思いつつ、この作品の中だけでは、天才数学者に見えるように気を引き締めて演じていきたいなと思っています。
――ちなみにですが、宮崎さんは数学はお得意ですか? おふたりのどちらの方が“理系”っぽいでしょうか?
鈴木 秋人君の方が、数学というか、お金の管理とかしっかりしているイメージがある!
宮崎 そうですね、結構しっかりしている方だと思います。理系っぽさというのとは違うかもしれませんが、僕から見て拡樹君は、共演する人たちが楽しく過ごせるよう、良い空気で作品作りが出来るようにすごく考えてお芝居をされているなと思っていて。そういう意味でたくさん頭を使っていると思います。