えーーーーっ!? ハズカしくて、そんなの、言えないよぉーー……。

(嬉しそうだけれど、身をよじって恥ずかしがる、佐江ちゃん)

いや…、でも…、なんかね……、「言うことない」って、言われたんですよーーっ!!

通し稽古やゲネが終わった後に、「NOTES」っていういわゆるダメ出しがくるまでは、“できてたのかなぁ…、あれで合っていたのかな…、かみ合ってたのかな…、どうだったんだろう…”って、思っていたんです。でも、「NOTES」の時間のときに、

「言うことないよ、大丈夫」

って、言われて。

「…ぇ、…ほんとに!?」

って、思って!! 「大丈夫」って言われたけれど、翌日が初日だったから、何か言葉をもらいたいと思って、フリオに聞いたんです。そうしたら、

「本当に、僕を信じてついてきてくれてありがとう。もう、それだけだよ。何も言うことはないよ。アニータはあなたに降りてきているから、もっとアニータになっていくと思う。アニータでいられることを楽しんで!」

「自信を持って! 」

って、すごく言ってくださって。だから、「自信を持つのは不得意だけど、自信持つ!」と決めて毎公演舞台に立ってます。

私自身、今、こうしてインタビューを受けているときは、不安げなテンションでしゃべっているし、自分に満足したりできないし、自分をほめたりもできる人ではなくて…。どうしても「ど、どうです…?」みたいに、自信なく下からしゃべっちゃうんです(笑)

たぶん、ステージに立って、アニータでいるときは、「自信」を持てているんだと思う。

アニータでいるためには、宮澤佐江が「自信」を持ってやらないと成り立たないから。それは、フリオに言われて気づいたことでもあり、ステージに立って、改めて気づいたことでもあります。

「自信を持つ」ことを演じるって、すごく難しい。

“自信がない人は、自信がある役を絶対に演じられない”って、すごく感じました。自信を持って「自信がある人」を演じないと“その自信なんて偽物だよね”って思うから。

だから、アニータでいるときは自信があって、「怖いものなんてない」っていう思いが、自分の中にすごくあるのを感じます。

作品のパンフレットのインタビューでも話したんですが、「アニータをやって、自分自身の性格も変わったらいいな」って。今のところ、いい意味で変われてるんじゃないかな。この変化がずっと続くものなのかは、正直わからないけれど。

会う人、会う人に「いい顔してるね」って、言われるのがすごく幸せで。久しぶりに“いいオーラを放てているんじゃないかな”って思えてます。

--もともと佐江ちゃんの中には、アニータの要素はまったくなかった?

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