そうなんです。「ここでこうした方が、よりそういうふうに見えるよね」って、すごく研究できたんです。
サラっと流されてしまうものではなくて、観ている人が“どうしても目が行ってしまうシーンをふたりで作らなければいけない”と思って、今でも日々、自分たちで心がけています。
でも、描かれていない部分では、本当はもっと愛し合っているシーンがいっぱいあるんだろうなぁ。
--アニータは、ベルナルド以外にも、マリアと深く関わりますよね。
はい。マリアは、アニータの彼を殺してしまった男と恋人となってベッドで寝ていた。それをアニータに知られてしまうんです。そこでアニータはマリアに対して、怒りの感情をぶつけるシーンがあるんですが…、
アニータは、マリアを恋人から引き離そうと説得するんです。でも、「あなたも人を愛したことがあるからわかるでしょ」と、マリアに言われて…。
そこでアニータは、女の子として、マリアと同じ気持ちになってあげるまで、感情が揺り動かされるんです。
そのとき、私は「ROOFTOP/屋上」でのベルナルドとのシーンや、「マンボ」をふたりで一緒に踊ったシーンを思い出すんですよね。
ベルナルドとの間には、本当はそれだけじゃなくて「あそこにデートに行った」とか、「おいしい料理を食べた」とか、「あんな最高な夜があった」とかいろいろあって。ベルナルドとの思い出があればあるほど、
「あんな幸せなことがあったのに…。昨日生きていた彼が、今はもういないなんて」
っていう、悲しい感情につながっていくんです。毎公演、「ああ、今日はああいうふうに言い合ったなぁ」とか、「今日は、いつもは目が合わないところで目があったなぁ」とか。それを思い出すと、本当に悲しくなってきちゃって。。
--アニータとマリアが「ア・ボーイ・ライク・ザット」という歌を歌うシーンも、とても印象深いです。
あの歌は、「女の子の心の動き方」がリアルだと思う。アニータが大人なんですよね。
マリアがあそこまでの熱量をもって言ってきてくれるから、マリアの歌を聴いて本当に涙が出てくるんですよね…。もちろんナルドとの思い出を、思い出しているんだけれど。。
歌の最後で、アニータに「ポロッ、ポロッ、ポロッ、ポロッ」と、流れる涙をくれるのは、マリアの説得力のある歌なんです。もう完全にその瞬間に、アニータはベルナルドへの思いを背負って、マリアを許すんです。
“ベルナルドとアニータが重なる瞬間って、そこなのかな”と思うんです。ふたりがスイッチする瞬間というか。そんな気がしています。
--1曲の中で、それだけの感情の起伏を表現するのは、とても難しそうです。
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