わたしたちは、アイドルに永遠を求める。

SMAPという集合体は四半世紀以上もの歴史を生きてきた。なんと、万次が不死身となってからの年月の半分である。25年以上、芸能の最前線を疾走してきた。今後、このようなグループは現れないだろう。まさに不世出の存在だ。

わたしたちは、アイドルに永遠を求める。その存在が魅力的であればあるほど、永遠に生きつづけてほしいと願う。懇願する。さらには信じる。信じすぎて盲信することもある。
たとえば。

SMAPは絶対に終わらない。

そう祈る。念じる。

だが、SMAPもまた、人間である。
この世に、終わらないことなどないのだ。

映画『無限の住人』は、万次ではなく、凛の視点から観ることもできる。

凛にとって、万次は決して死なない存在だ。常に彼女のそばにいて、彼女を守ってくれる。
わたしたちは、大好きなアイドルに、そのような願望や憧憬を抱く。

ずっと、そばにいてくれるよね。

映画に向き合うとき、最初はどうしても、物語だけを追いかけることになる。
だが、もう一度、向き合ったとき、違う面が見えてくる。

万次が映画の最後でどうなるか、ここでは書かずにおこう。
だが、そこには、アイドルとファンの、SMAPとわたしたちの、関係性が、図らずも批評されていると思う。

わたしたちは、あの謎の老婆であり、凛である。
そして、万次はSMAPである。

SMAPとは何だったのか。
SMAP解散前に撮影された映画に、その答えが秘められている。

ひとりひとりが考えることができる、これは絶好の機会である。

連載<SMAP is ALIVE―SMAPは生きている>更新中!

第1回:【SMAP】PVから見えてくる、“5人からの隠れたメッセージ”

第2回:俳優・木村拓哉、キャリア最良の演技!? ドラマ『A LIFE』で見せた“名シーン”

第3回:ハンパない!『嘘の戦争』の演技に見る「草彅剛にしかできないこと」

第4回:メンバー5人のラジオから受け取る、“変わらない日常”の尊さ

第5回:【中居正広】生放送でより輝く、MCを超えた魅力とは?『ミになる図書館』~『スマステ』を見て

第6回:SMAPは「無限の住人たち」である――映画『無限の住人』のラストが示すものとは

最終回:【SMAP】“珠玉の10曲”からいま受け取る、彼らが残したかったメッセージ

ライター/ノベライザー。「週刊金曜日」「UOMO」「T.」「シネマスクエア」などの雑誌、T-SITE、リアルサウンドなどのネット、日本映画の劇場用パンフレットなどに寄稿。楽天エンタメナビで週刊SMAP批評「Map of Smap」を3年5ヶ月にわたって連載。草彅剛主演作のノベライズ『嘘の戦争』(角川文庫)が3月10日に発売。