今年でバンド結成10周年を迎える4人組ガールズバンド、SILENT SIRENが、9月2日に待望の7th Album『mix10th』(読み:ミックスジュース)をリリースした。
当初5月13日にリリース予定であった本作は、新型コロナウイルスの昨今の情勢を踏まえ、このままではアルバムの魅力をきちんと届けることが出来なくなってしまうと発売が一時延期になったものの、満を持して手元に届けられ、本インタビューが実現した。
10周年を飾るにふさわしい楽曲たちがこれでもかと詰め込まれた今作からは、SILENT SIRENの音楽表現の「深化」を感じ取ってもらえるはずだ。ゴールデンボンバー鬼龍院翔による提供楽曲からPoppin'Partyの愛美(G/Vo)をゲスト・ヴォーカルに招いた新曲まで、新たなエッセンスを取り入れた全13曲を収録。心待ちにしていたファンの期待感も裏切らない。
すぅは、これまでをふり返り「必死に駆け抜けすぎて、時間を忘れてバンドと向き合っていた」と話す。そんな彼女たちが、いま目にしている景色は一体どんな風に見えているのか、メンバー全員に話を聞いた。
必死に駆け抜けたからこそ出会えた人がいた
── 今回はアニバーサリーイヤーのインタビューになりますが、まずはSILENT SIREN(通称:サイサイ)が抱く「ぴあ」の印象からお聞かせいただけますか?
すぅ(Vo&G.) 音楽やエンタメの情報を知れるので、わたしも気楽に「ぴあ」で情報を手に取ってました。
ゆかるん(Key.) 音楽や演劇と切っても切り離せない存在で、バンドをはじめる前からもちろん知っていたし、バンドをはじめてより一層、ライブの時にお世話になったり、より身近に感じてますね。
── やっぱりエンタメ情報といえば「ぴあ」というイメージはありますよね。サイサイのメンバーがむかし好きだったエンタメについても少し聞かせていただけますか?
すぅ わたしは初めて買ったCDが椎名林檎さんでした。スーパーの中に小さいCDショップが入っていて、ジャケット写真を見てすごいカッコいいなと思ってジャケ買いしたのを覚えてます。ルーツ的にはバンドだったり強い女性像が好きだったのかな。
あいにゃん(Ba.) わたしは高校生の時からaikoさんが好きで、チケットを探しまくってライブに行けた時はすごく感激しましたね。
ゆかるん 音楽は昔からJ-POPが好きでももクロちゃんとか学生時代から聞いていました。それより前は母の影響で昭和歌謡もよく聞いてたな。
ひなんちゅ(Dr.) わたしは習い事でバイオリンをやっていたんだけど、ドラムセットを叩いた時にすごくアナログな打楽器で音が出るのが楽しいなと思った時があって。その時にバンドを組もうと思ったキッカケのBUMP OF CHICKENさんの耳コピをしたりして聞いていました。
── それぞれ憧れや音楽との出会いってあるけれど、好きな音楽も異なる4人がこうして10周年を迎えたことについてはどう感じますか?
すぅ すぐに辞めるとも思ってなかったけど、気がついたら「10年経ってたな」と思いますね。自分の軸になってるものがバンドで良かったです。
── 10年続くことって、単純に凄いことですよね。アルバムの表題曲「Answer」は10年を振り返って書かれてますが、歌詞にも《息をすることすら忘れ ただ前へと走ってきた》とありますね。
すぅ そうですね。必死に駆け抜けすぎて、時間を忘れてバンドと向き合ってましたね。ふり返ったら楽しかったこともしんどかったことも同じくらいの分量であった。それでも、10年続いたのは、自分が楽しんでやれていたんだなって思います。
ゆかるん 一生懸命に走っていた感じなので、言われてからはじめて結成10周年って感じました。あっという間に感じましたね。
── 10年続いたからこその景色もたくさん見ることができた?
あいにゃん わたしは高校時代にいろんなバンドに興味を持って地元でバンドを結成して、その後にサイサイを組んだんですけど…例えばむかしはアルカラさんが好きでフェスやワンマンにも行ってて。そのアルカラさんが毎年やってるサイサイ主催のフェスに出てくれるってことになった時は、すごくうれしかったです。
── そうなんですね。
あいにゃん バンドが10年続いたことは誇りに思いますね。
ゆかるん バンドをはじめる前に聞いていたアーティストさんとかステージの下からライブを見ていた方々とライブが出来たり自分たちのフェスに出てもらえるっていうのは、いまだに不思議ですね。
ひなんちゅ バンドを結成したキッカケの10-FEETさんと同じレーベルになったりとか、続けてこなかったら出会えなかっただろうなって人がたくさんいます。あと、続けないとわからなかったこともありますね。10年前の自分といまの自分は考えも変わるし、まだ見えないからこそ楽しいなと。