毎秋に開催される映画ファン恒例の映画祭「東京フィルメックス」が今年も10月30日(金)に開幕する。
例年、フィルメックスは11月下旬に開催されてきたが、今年は会期を変更。様々な変化があるが、上映作品はこれまで以上に多様で豪華なラインナップになった。
今年のフィルメックスはどう変化するのか? これからどうなっていくのか? 市山尚三ディレクターに話を聞いた。
2000年12月にスタートした東京フィルメックスは会期や会場を変化させながら昨年、記念すべき20回目を迎えたが、今年も変化を続ける。大きなポイントとして今年からフィルメックスは東京国際映画祭(TIFF)と連携。ふたつの映画祭が同時期に開催される。
「去年のヴェネチア映画祭で(東京国際映画祭の)安藤(裕康)チェアマンとお会いしたんです。安藤さんとは以前から知り合いだったので食事をすることになって、そこで出てきた話ですね。
ベルリン映画祭でも改めて話をして、具体的に動き出す段階でコロナにはなったんですけど、コロナになる前から話は出ていましたし、コロナ対策でやっているわけではないんですね。だから来年以降も問題がなければ連携は続けていくつもりでいます。
最初にフィルメックスをはじめた時は、TIFFと同じ時期にやると埋没してしまうのではないかと思っていたんです。でも、あれから20年経って、メディアの環境も変わりましたし、フィルメックスも20回続けてきたので埋没することはないだろうと。
それよりもTIFFと同じ時期にやることでマーケットの期間に来る人や関係者が、フィルメックスに来ている監督たちと交流する機会になるし、コネクションを広げる意味では同じ時期にやった方がいいと思ったんです。
映画を観るだけなら配信やブルーレイでもいいと思うんですけど、人と人と出会うことは映画祭が保持しなければならないところ。今年はリモートでやることもありますけど、人と人が出会う場は絶対になくならないと思います」