どういう人たちとやると面白いのか?

眞形隆之氏「初心者でもとりあえず1回飛び込んでみて」撮影:稲澤朝博

――この人とやったら面白くなりそうだなっていう人はどうやって見つけたらいいんですか? どうしたら、そういう人と一緒にプレイができるんですか?

歌広場 いい質問です。「MM」の経験がたくさんある人とやるといいと思うので、興味がある人は「MM」や「人狼ゲーム」などボードゲームやアナログゲームと呼ばれているものにアンテナを張ってみてください。

そうすると、その界隈の人たちの情報がガンガン流れてきます。

その人たちのツイッターなどをしばらく見ていると、この人、ゲームはすごくやっているけど、あまり人から誘われてないなっていうことが分かるようになるんです(笑)。

眞形 相当チェックしていますね(笑)。

歌広場 でも、そうやって眺めているうちに、自然にこの人とやってみたいという発想になってくるんですよ(笑)。

――その人たちはまったく知らない赤の他人ですよね?

歌広場 そうです。まったく知らない赤の他人ですけど、そういう人たちとやった方が逆にいいと思います。

作品によりますけど、知っている人が相手だと気恥ずかしくてそのキャラクーになりきれない場合も出てきますよね。

それよりも、「はじめまして」同士の方がテンション高く別人になれる。別人になれたら、ゲームが楽しいか楽しくないのかは別にして、それは忘れられない初めての経験になるはずです。

それこそ「MM」をやりたいと思った段階で、あなたは人生で初めて経験することのきっかけを幾つか手に入れているんだよって言いたいです。

それはゲームで初めて感動したということかもしれないし、知らない人の前で自分も知らない自分を出してしまったという驚きかもしれない。

恥ずかしくていつもならできないことをやらされたけど、できちゃったという興奮かもしれないけれど、そういったことを味わえると思います。

――“やってみたい”と思う人を見つけたら、次はどんなアクションを起こせばいいですか? その人に直接コンタクトをとるんですか?

歌広場 そこはケース・バイ・ケースですけど、僕の場合は「一緒にやりましょう」というアプローチはせずに、その人が参加しそうなシナリオの「MM」をネットで探します。

作品のタイトルを挙げて「何月何日の回に参加します」という予定を出している人も多いんですよ。

それで調べてみると「残り2枠空いてます」ということがけっこうあるので、僕はそこに勝手に行っちゃいます(笑)。

眞形 スゲ~!(笑)

歌広場 面白いことって、自分が想像していないところにあると思っているんです。それに、僕の場合は「MM」をプレイする前からゲームは始まっていて。

自分が「歌広場淳」であることを隠すところからスタートしますからね(笑)。

眞形 そうですよね(笑)。

歌広場 嘘はついてないけれど、一個隠したところから始めるので、そこの面白さもあると思います。

初心者はどの作品から始めたらいいのか?

――話を聞けば聞くほど、最初に一緒にやるメンバーが重要だということが分かってきました。

歌広場 そこはかなり重要ですけど、でも、それは選べない。一緒にやる人がいまいちのプレイしかできなくても、よくできた「MM」はやっぱり面白くなるようにはできているんです。

ただ、それも個人の価値観や趣味に合う合わないの問題もあるから絶対ではないし、僕が面白いと言った『ランドルフ・ローレンスの追憶』がつまらないという人も当然います。

だから、広めるのが難しいんです。

眞形 ツイッターに「好きなMM10選」みたいなことを書いている人がけっこういるんですけど、そこによく上がっているタイトルの作品はけっこう評判が高いと思っていただいていいと思います。

――まさに「最初はどの作品から始めればいいですか?」ってお聞きしようと思っていたんですけど、そういうツイッターを参考にして始めればいいんですね。

歌広場 そう思います。それは繁盛しているお店と同じですから。

――初めてやる人にほかに言っておきたいことはありますか?

眞形 とりあえず1回飛び込んでみるのがいいと思います。最初に話したような「MM」やボードゲームがやれる専門店もあるし、ZOOMでできるものもある。

ネットで検索すれば、無料でできるシナリオも落ちています。最近は「MM」のアプリもあるので、何でもいいからとりあえず1回やってみてください。

歌広場 あと……時間もお金もそれなりにかかるので、これは決して強要できないことだけれど、1回やって面白くなかったとしても、できれば3回ぐらいは続けて欲しいですね。

そうすれば、ハマる作品と出会えるような気がします。