ストーリー性のある演劇的な世界観をジャズダンスとJ-POPで創り上げるエンタテインメント集団「梅棒」による第11回公演『ラヴ・ミー・ドゥー!!』が2021年2月19日(金)からサンシャイン劇場で上演されている。
2001年に日本大学芸術学部のダンスサークル「BAKUの会(現:Dance Company BAKU)」内で結成された、梅棒。
09年にストリートダンス界最大のコンテスト「JAPAN DANCE DELIGHT vol.16」で特別賞を受賞し、12年に国内最大の振付作品コンテスト「Legend Tokyo chapter.2」で最優秀作品賞とオーディエンス賞を同時受賞。
以降、活動の中心を劇場公演としているが、話題のテレビドラマやミュージカル、アーティストのライブやミュージックビデオなどの演出・振付も数多く手掛けている。
オタク×不良×アイドルが繰り広げるハートウォーミングストーリー
幼なじみだった、内気でオタクな男子と、不良の男子と、アイドルになった女子の3人の青春とその後のドラマを描いている本作。
第3回公演『男なら、やってやれ!!』(2014)をベースに、設定や表現などをブラッシュアップさせ、続編とも再演とも言える形に仕上げている。
「推し」がいる(ある)人なら、きっと共感せずにはいられない、ハートウォーミングなストーリーだった。
誰もが知っているであろう聴き馴染みのある曲や、青春時代を思い出す懐かしい曲、あまり聴いたことはなかったが本作を通じて新たな魅力を見出した曲など、多種多様なJ-POPで紡がれる梅棒作品。梅棒のメンバーと同世代の筆者にとっては、「ここでこの選曲か〜!」と唸るシーンが多々あった。
振付もジャズダンスがメインではあるが、正統派のアイドル振りから、ドープなヒップホップまで、いつもよりもジャンルが幅広い印象で、とても見応えがあった。
全編を通じてセリフはほとんどなく、ダンスだけで表現することも特徴として挙げられるが、本作では、作・総合演出の伊藤今人が、話題の「あの人」に扮して、ストーリーテラーのような役割を果たす(ネタバレになるので詳細は伏せるが、そのモノマネの完成度が高く、笑った笑った)。
大人だけでなく、子どもも楽しめる作品なのが嬉しい(ただし、未就学児童は入場不可)。