見て欲しいのは役者が即興でやっている芝居

撮影:渡邊明音

――犯人探しの方はいかがでしたか?

ひとり まあ、犯人探しの部分でもすごく楽しめます。でも、この番組はね、そっちばっかりに興味を持って欲しくないんですよね。

剛力 そうですね。

ひとり そこも面白いけれど、この番組でやっぱり見て欲しいのは、役者さんがその場で即興でやっている芝居の面白さですから。本当に、見事ですよ。セリフを噛まないですから、まず。

噛まないってスゴいことですよ。けっこう、まくし立てる場面、ありましたからね。あの芝居を頭の中でガ~って考えながら出して噛まない。これもけっこう至難の技です。

剛力 確かに!

ひとり セリフを用意されたって噛んじゃうんだから。

剛力 私もあんなにリズミカルに、まくし立てる芝居はできない(笑)。

――クライマックスの芝居もスゴかったですね。ひとりさんも「これって台本があるんですか?」って聞かれてましたけど……。

ひとり 台本がないなってことは分かるんですよ。だって、ヘンなこと言ってるから(笑)。

剛力 台本があったら、そんなこと言わないっていう(笑)。それが一瞬、いいシーンだなって思えるのもたぶんその人のアドリブや芝居に力があるからなんでしょうけど、よくよく考えてみると……。

ひとり ヘン! いい意味ですごくヘンなんですよ(笑)。

ふたりが挑戦するなら、どう演じる?

――剛力さんはさっきご自分でもやってみたいって言われてましたし、ひとりさんも番組で「やってみたい」って言われてましたね。

剛力 でも、怖いな~(笑)。私、嘘をつくのがすっごい苦手だから、犯人役になったらどうしよう?っていう不安があるんですよ。もしやるなら、友だちとここまで真剣にお芝居をする形で「マーダーミステリー」をやってみたいです。

ひとり 僕は脱出ゲームとかも好きだし、楽しそうだからやってみたいけど、芝居のランクがちゃんと同じぐらいの人を揃えてやりたいし、芝居がバチバチして欲しい。

剛力 怖いけど、面白そう(笑)。

ひとり そこもけっこう大事だと思うんですよね。コイツには負けたくない! っていう気持ちが。相手がヘンに若い子だと「いいよ、いいよ。どうぞ、どうぞ」って甘やかしちゃうでしょ。

――ちなみに、同じレベルの人たちとやった場合、ひとりさんは自分から仕掛けていきますか?

ひとり いや、今日のみなさんの芝居を見て、最初はちょっと控えめにいった方がいいなと思ったから、けっこう静かなトーンで喋るキャラクターにすると思う。まくし立てて噛むのもイヤだしね(笑)。

撮影:渡邊明音

剛力 私もボソボソ喋るキャラクターにすると思う。あまり、ひっかき回せないので。

ひとり 生瀬さん(※審査員の生瀬勝久)なんて、逆にムチャクチャやるでしょうね。

剛力 それ、すごく見たい! だけど、お芝居未経験者の方がやったらどうなるのか?っていうのも見てみたい。やったことはないけど、お芝居に興味のある人の実力、演技力が一瞬で分かるし、本当に可能性がいっぱいあるような気がします。

――控えめな芝居をしていても、ほかの役者さんに仕掛けられて自分が予定していなかったような展開になる場合もありますよね。

ひとり そういう瞬間が面白いんですよね。

――おふたりは、そうなった場合でもリカバーできますか?

ひとり どうかな~?

剛力 私はそうなったら、ちょっと安心しちゃうかも。自分の秘密が早い段階でバレちゃったら、私の役目は終わったと思って、犯人探しに没頭しちゃうかもしれない(笑)。

――ひとりさんは以前、即興の芝居が話題になったバラエティ番組やそこから誕生した映画『ゴッドタン キス我慢選手権THE MOVIE』(13)をやられていましたけど、あれと今回の「マーダーミステリー」はちょっと似てますね。

ひとり でも、あれは僕はアドリブだったけど、ほかの役者さんはセリフがあったし、その共演者の方々が僕のミスを修正してくれる人たちだったんです。

――じゃあ、作りがちょっと違いますね。

剛力 こっちは相手がどう来るのか分からないですものね。