ルーシーは、今までの中で、一番イメージは付きやすいキャラクターだったことは、前回もお話したと思うんですが、お稽古では、苦労しているけど、苦労していないというか。ルーシーは子どもの役なので、子どもになりきっていることが観に来てくださる方たちに、
「大人が子どもになりきってる姿が痛々しい」「頑張ってるよね」
って、思われるのはいやだな、と思ってお芝居を作ってます。だから、手こずっている部分はあるかもしれません。子どもっぽくしようと心がけているわけではないし、声を高くしようとも思っていなくて。
でも子どもは、今、こうやって取材を受けているこの声のトーンとか、声量ではしゃべらないと思うと、自然と声を張っちゃう。声を張ると、自然と高く、大きな声になるので、高さを意識して声を出そうとしていない分、そこは苦痛ではないんです。
演出家さんから、
「その語尾の言い方だと、子どもっぽく聞こえないよ」
「今の語尾の落とし方だと、色っぽく聞こえちゃうかもしれないから、語尾を上げてみて」
「もう少しここの言葉を大きく言ってみて」
と、よく言われました。自分ではそういうつもりはなくても、客観的に聞いていると、大人として言っているように聞こえちゃう部分もあるんだなと気付いたりしました。
--子どもという部分では、子どもが言うからこそ、響くこともあるのかなと思います。
そうなんですよね。この作品が一番伝えたいことって、そこだと思うんです。
この作品の中の子どもたちは、普通の子どもとしては、会話の内容もマセているし、「これはどういうことを言っているんだろう」って、大人が改めて考えさせられる言葉があるんです。
子どもたちが自分たちの思っている感情や、言葉を、悪気なくぶつけ合っているところに、この作品の深みがあると思います。
人は大人になるにつれて、気を使ってしまって本音が言えなくなったり、言葉が発せなくなってくる。言葉が発せなくなると、どんどん「自分って何なんだろう」って思えてきちゃう。そういうことって誰しもあると思うんです。
でも、子どもはまず、そういうことを知らずに、何も気を使うことなく、
「ありがとう」「ごめんね」「それは違うよ」
って、その場で、子どもならではの気持ちで伝えられますよね。だからそこが、大人の心に響いてきたりするんだろうなって感じます。
あと、「スヌーピー目線」がおもしろいと思う! 犬の目線って、すごくおもしろい!
あ、でも、誰も犬にはなったことはないと思うので…。それが100%、本当に犬の気持ちかどうかはわからないけど(笑)
--(笑)
スヌーピーが、犬の目線で人間たちを見て、思ったことを発言しているのを見ると、私は勝手に自分の愛犬の顔が浮かんできて。「こんなことをいつも思っているのかなぁ…??」って、想像がどんどん膨らみます!
もう、スヌーピーが愛おしくて仕方なくって、スヌーピー役のアッキー(中川晃教)さんがつくるスヌーピーが本当にもう、表現も、表情も豊かで、おもしろいし、かわいいし素敵すぎて!!
主役はチャーリー・ブラウンなんだけど、そのチャーリー・ブラウンの横にいつもいる、一番の友だちのスヌーピーの目線でお話を観ると、また、全然観方が変わってきて、ほっこりすると思います。
--スヌーピーの目線を犬の目線と捉えるのか、子どもたちを見ている第三者の目線と捉えるのか。それでも感じ方は変わってきますよね。ますます観るのが楽しみになってきました。
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