3.「自分らしくいる」こと
ビリーは一度も学校に通わず、ホームスクール(家庭で勉強する教育)を受けてきましたが、いまも公私ともに惜しみない家族のサポートや、生まれたときから変わらない揺るぎない家族の愛情が、いかに自分にとって大事なものか、そのおかげで自分らしくいられるかということをよくわかっています。
でも、「自分らしくいる」ことって、なかなか難しいときもありますよね。
職場での顔、知人の前にいるときの顔、好きな人の前にいるときの顔……。
場合によっては、気取る時もあれば、緊張するときもあるだろうし、ひとりでいるときとは違う自分の顔になることもあるかもしれません。
ですが、ビリーのように、時に厳しく時に優しく“無償の愛”によって守られることで、類稀な存在になることも。
そんな自分らしくいられる場所、どんなときも自分らしくいさせてくれる相手の気持ちは、貴重。人それぞれある個性を大切にしたいものです。
4. 絆の強さが未来を作る
ファンは「いろいろな気持ちを抱えている」ということ、「みんなが元気じゃないと私は元気でいられない」と公言し、「ファンは自分の一部だ」と話すビリー。
そんな思いを持ちながら、デビュー以降急激に変わる環境で疲弊するビリーを支え、守り続ける家族のことを「まるで1曲の歌みたいな家族なの」と言っていた言葉が印象的でした。
映画では、ビリーの音楽的な成功の過程を追うだけでなく、憧れのジャスティン・ビーバーとの交流で奮起する姿、精神的な成長や恋愛模様についても、さらけ出されています。
ビリーの軌跡から感じ取れるのは、日々を生きる原動力、自分を守ってくれる存在の重要性。私たちにとっても、自分を育んでくれた家族やエネルギーの源の存在は大きいものです。
ビリーはなんでも相談できる家族の絆の強さによって、前を向くことができるようになり、さらに共感してくれる多くの人たちの思いを胸に、力強く歩き続けています。
絆の強さが未来を作ることで、後ろ向きだった女の子は、前を向く力を手に入れ、世界的なポップ・スターになりました。わたしたちも絆や思いを糧に、望む未来を作っていけたらいいですよね。
そんなことを思わせてくれるこの作品は、ビリーがステージで歌い、パフォーマンスする場面ももちろん盛り込まれています。
映画『ビリー・アイリッシュ : 世界は少しぼやけている』は、成長物語が気になる方から音楽ファンまで、そして家族の在り方のアイデアとしても、参考になる作品だといえるでしょう。
映画『ビリー・アイリッシュ : 世界は少しぼやけている』
(原題:Billie Eilish / THE WORLD’S A LITTLE BLURRY)
監督:R・J・カトラー
出演:ビリー・アイリッシュ、フィニアス・オコネル、パトリック・オコネル、マギー・ベアード、他
2021年/アメリカ/140分
配給:シンカ 宣伝:Eastworld Entertainment
提供:Eastworld Entertainment
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