主演・崎山つばさの理想の座長像は?
――と同時に、このカンパニーの中で崎山さん自身がこういう役回りをしたい、こういう存在でありたいと今イメージしていることはありますか?
崎山 僕、あんまり人を引っ張っていくタイプじゃないんですよ(笑)。このカンパニーはみんな同世代ではあるんですけど、その中でも僕はわりと上の方なので甘えられないし、しっかりしないといけないなと。
高橋 芝居で引っ張っていくタイプ?
崎山 いやいや(笑)。そうだったらいいですけど、まずは平和をお届けできればいいなと思います。
――崎山さんは理想の座長像ってあるんですか?
崎山 今まで関わってきた作品の座長を見て、みんなカッコいいなとは思うけど、「自分はこうありたい」とか「こういう座長でいたい」というのはあまりないかもしれないです。
そのときそのときで変わってくるし、空気によって変えたいなという気持ちもあるし。でも、座組の芯でいたいな、折れない存在でいたいなという気持ちはありますね。
――最後に、おふたりが役者や作演出家として、それぞれ掲げるアイデンティティについて聞かせてください。
崎山 もちろん自分が自分であるということは大切だと思うんですけど、僕は人との関わり合いでアイデンティティが生まれることもあると思うし、逆にそこでしか分からないこともあるから、「自分はこうありたい」という気持ちもありつつ「こういう自分にさせてもらっている」という感覚もあるのかなと。
やっぱりひとりじゃ生きていけないので、しっかりと自分というものを持ちつつも、でも誰かに支えられているという気持ちも常に持つことが大切なのかな。人によってアイデンティティが作られるということもあるんじゃないかなと思います。
高橋 こういう物語を作る作業って、物語を通じて自分の中の哲学とか美学とか考え方みたいなものを提示することをやりがちなんですけど、最近僕の中で心掛けていることは、答えを作中で明言しないこと。もちろん、テーマを基に作劇はしていくんですけど、観た人が答えを探すようにしていきたいんです。
それは僕が作家のアイデンティティやエゴを、作品を通して表現することが一番嫌いというのもあって(笑)。だからアイデンティティというものは、僕の中であってないようなもの。それは常に不確かで曖昧で答えのないもので、毎回探りながら演じることのできる作品を作り続けていくことに尽きるのかなと。
アイデンティティがひとつ決まってしまうと、それ以上作る必要がなくなってしまうんじゃないかという怖さもあるので、ないに等しいですし、そうでありたいなと思っています。
――この作品を観終えた後、お客さんもそこと向き合うきっかけになりそうですよね。
崎山 自分のアイデンティティを考えるようなきっかけって、まずないですものね。だから、深く考えてもらえたらいいなという気持ちが強くあります。
高橋 あとは社会の情勢だとか、コロナのこともそうですけど、あまり周りに流されずに自分の生き方を見つける機会になるといいですよね。
崎山 それに尽きると思います。劇場でもライブ配信で画面越しでも何か感じてもらえることがあるはずです。僕らの実験をぜひ観てください。
『TXT vol.2「ID」』公演概要
作・演出:高橋悠也
出演:崎山つばさ、松田凌、井上小百合、萩谷慧悟(7ORDER)、小野塚勇人、砂川脩弥、鈴木蘭々ほか
東京公演
2021年6月17日(木)~6月27日(日)
会場:よみうり大手町ホール
大阪公演
2021年7月2日(金)~7月4日(日)
会場:サンケイホールブリーゼ
ライブ配信公演
ライブ配信
6月17日(木)14:30~ / 崎山つばさインタビュー付
6月17日(木)19:00~ / 松田凌インタビュー付
6月22 日(火)14:30~ / 井上小百合インタビュー付
6月22 日(火)19:00~ / 萩谷慧悟(7ORDER)インタビュー付
※アーカイヴ視聴は、17日公演は6月19日(木)23:59まで、22日公演は6月24日(木)23:59まで
販売期間
2021年6月10日(木)12:00~6月19日(土)21:00
配信プラットフォーム
PIA LIVE STREAM
※配信サービスの詳細はチケットぴあ公式サイトをご確認ください。
視聴チケット料金
4400 円(税込) ※ライブ配信映像特典付
※「ぴあ」アプリでは高橋さん、崎山さんサイン入りポラを1名様にプレゼント! また、アプリ限定カット5点も掲載!