役者の仕事は自己満足。他人の意見や反響は気にし過ぎない

撮影:稲澤朝博

――先日、放送が終了したドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)では、体重を増量して、髪型も坊主にして挑んだ健太役で、これまで以上に注目を集めることになりましたが、それを実感することはありますか?

僕個人に対してというより、作品に対する注目度がどんどん上がっていくのは感じていました。正直、最初にキャストが発表になったとき、生徒役に知らない子が多いからあまり惹かれないとか、否定的なコメントもあったんです。

でも、終わってみたらどうだろうか、って(笑)。前作もすごく面白かったけど、今作も面白かったでしょう、って。みんなで最初の評価をひっくり返すことができたのは、すごく嬉しかったです。

――とはいえ、細田さん自身に対する注目度も上がりましたよね。反響があれば、発信できることも増えるので、改めて、もっとこういうことや、こういう役もやってみたい、というようなことはないですか?

やってみたい役はわりと映画『町田くんの世界』(2019年公開)の頃から固まっていて、サイコパスな役をやってみたい、とは言い続けていますし、映画もドラマも舞台もなんでもやりたい、というスタンスも変わっていないので、特に変わったことはないです。

ただイベントとか、インスタライブとか、そういう場面での発言が、これまで以上に多くの人に見られているな、とは思うので、そこでの責任はあるとは思っています。

撮影:稲澤朝博

――周りの環境が変わっても、それで何か自分のスタンスが変わることはない、と。

はい。役者という仕事は、誰かの支えになりたい、とか、そういう想いを持ってやっている方も多いし、僕にもそういう想いもありますけど、結局は自己満足だな、とも思っているんです。

正直、エンタメや芸術って衣食住に必要ではないじゃないですか。だから、それでも(エンタメや芸術が)存在するのは、そこに理由があって、求める人にも理由あるというのも理解しつつ、他人の意見や反響は気にし過ぎないようにしています。


ご本人は演じたもじくんを「自分との共通点みたいなものがなかった」と言いますが、映画を観ていると「細田さん自身もこんな人なんじゃないか?」と感じる自然な演技で、ときにクスっと、ときにキュンと、そしてホロっとさせてくれます。高校生が主人公ではありますが、どんな世代の人の心にも届く物語となっているので、ぜひ劇場で。

スタイリスト/ 岡本健太郎、ヘアメイク/ 菅野綾香(ENISHI)

作品紹介

映画『子供はわかってあげない』
2021年8月20日(金)全国ロードショー