萌歌ちゃんは、本当に“朔田さん”って感じ
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――書道教室で朔田さんが書道をしているのを、もじくんが見ながら会話をする2人だけのシーンが、何気ないやり取りなのですが、とても印象に残りました。
あそこは2人のシーンの中では、一番リハーサルをしないでやったシーンだったと思います。わりと掴めていたというか。ただ、親子丼のセリフのところはめちゃくちゃ苦戦しました。自分でも何を言っているのかわからなくなって、ひねり出してました。
あのシーンの他にもワンカットで撮っているシーンはいくつかあって、「自分が失敗したらどうしよう」という雑念もあるので、緊張はしましたけど、僕自身があの雰囲気とか、ああいうやり取りがすごく好きなので、割と考えすぎずにはできました。やっていてつい笑ってしまいました。
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――上白石萌歌さんとの共演はどうでしたか?
萌歌ちゃんは、本当に“朔田さん”って感じでした。今回、現場では2人でお芝居や役について話すことはほとんどしていなくて、何気ない普通の会話をしていただけなんですけど、そこから彼女自身に引っ張ってもらったものがすごく大きかったな、と思っていて。
朔田さんともじくんの雰囲気とかは、そういう会話から生まれてきたものだな、と。だから、萌歌ちゃんが朔田さんだったからこそ、僕はずっと救われていたと思います。
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――もじくんの兄・明ちゃんを演じた千葉雄大さんの印象も聞かせてください。
千葉さんとご一緒した最初のシーンが、朔田さんが通帳を見せるシーンだったんですけど、撮影の前から(上白石も含めた)3人でおしゃべりをしていて。だから、その時点からか、一緒にお芝居をしてみて感じ取ったのか、僕の中で明確にはわからないのですが、千葉さんがいるだけで、何か安心する感覚がありました。
(千葉は)お兄ちゃんというか、お姉ちゃんというか、どちらとも言えない役で、ジェンダーレスな役の方とお芝居をするのが僕は初めてだったんですけど、自然と受け入れられて、兄弟としてのつながりのようなものも感じられたんです。それは千葉さん自身が持っているその安心感みたいなものが大きかったのかな、と。
当時僕が高校生だったので、「大学に行こうと思っていて~」みたいな話とか、千葉さんの経験談とかも教えてもらいました。
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――現在、細田さんは19歳で、10代最後の夏を過ごしていますが、撮影時、上白石さんが10代最後の夏を、この作品とともに過ごしていたんですよね。
今、言われて「そうだ」と思いました(笑)。ただ間違いなく、今の僕よりも(当時の上白石の方が)背負っているものも、覚悟も含めて、どっしりされていた感じがします。
あのときに萌歌ちゃんから感じ取れたものを、今の自分が持てているか、と言われると、わからないですね。自分の方が子供に見えてしまうので、あまり照らし合わせたくはないです(苦笑)。