「帝国劇場という、すごい大舞台に自分も立たせてもらっていたんだな」と観劇した時に改めて感じて、「いつかまたここに戻ってこなくてはいけない」という思いが、自分の中に生まれたというか。
「戻る」というのはミュージカル界でということだけではなく、役者さんとしてあの劇場に戻らなきゃだめだって思いました。
--そう聞くと、これから来年、未来に向けて、佐江ちゃんの活躍がますます楽しみになってきました。まだまだ今年を振り返りたいところですが、ここからは、「ミラチャイ☆」ファンの皆さまへ、2021年ラストのメッセージをお願いできますか?
自分の人生には、これからも含めて、アイドル時代を越すようなスケジューリングや経験は、絶対にないと思っているんです。
アイドル時代と今とでは仕事のカテゴリーも違うので、卒業してからもずっと当時を振り返ることはできなくて。当時の何がすごかったのか、自分で気づけていない部分が、ずっとたくさんあったんです。
大きな舞台に立てていたのが、どうすごかったのか。自分たちが、どうしてそんな大きな舞台に立てるまでになったのか。アイドル時代はただ1日1日をこなしていくのに必死で、かつ若かったこともあり、大切なことに気がつけないこともたくさんありました。
でも、卒業して、一人になってようやく「仕事」と「プライベート」というように、自分のスケジュールを管理できる環境になって。やっと今はじめて、過去の1つひとつを振り返れるようになったんです。
こうして振り返れるようになるまでは、感じられなかった「達成感」というものを、今年は、すごく感じられた年でした。
アイドル時代は達成感だらけの日々を送っていたはずなのに、そんな言葉すら浮かんで来なかったのは、振り返ったり考える時間がなかったからだったのかなぁ…。
あんな凄い経験を10代でさせてもらえていたなんて、他の人からすると羨ましいことだったと思います。
でも、その経験があったから、一人になったときに自分で勝手にハードルをあげて、達成感を感じられなくさせてしまっていたのかも。
だから…、何と言えば、いちばんしっくりくるかな…。
(真剣に言葉を探している、佐江ちゃん)
「良い加減」に話は戻るんですが、「嘘なく生きる」ことができた1年でした。嘘なく生きることができたから、達成感があるのかもしれないです。
とはいえ、365日ずっと、ありのままの自分でいられたかと言ったら、絶対にそんなことはなくて。カメラが回っているときや、舞台に立っているときは、自分ではいられないから。でも私は、
良い加減 = 自分らしくいること
だと思っていて、今、私が伝えたいのは、たくさんの人に「自分らしく生きてほしい」ということです。「自分らしく」生きていれば、どんなことがあっても、達成感を感じられるんじゃないかなって。
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[最終回]宮澤佐江「ミラチャイ☆」連載ー9年間のラスト。あのとき想像した未来の答え合わせ、これからの自分
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