妬む行為が幸せを遠ざける。きょうだいで比較せず、結果よりプロセスを褒めよう
このAさんの考察を「素晴らしい」と感じたTsujiさんは、以下のように回答しました。
「妬む」という行為には必ず相手が必要です。
自分を見ずに相手にばかり目が行ってしまうことで、自分自身の価値を見失ってしまいます。これが妬みの感情を生み出す土壌となります。
妬まない人の方が自分に価値を見出しやすくなるため「価値ある自分から生み出されたからこそ、その成果にも価値がある」と感じることができます。
“妬む”という行為は、自分自身に価値を見出せず、他人から奪って手にした成果と明確な区別がつきにくい状態に陥ることから、幸せを遠ざけるというTsujiさん。
Tsujiさんは、Aさんのエピソードをもとに、子育てに活かせる教訓を導き出しました。
・その子の存在そのものが素晴らしい価値であることを伝えること。
・兄弟や友達と比べないこと。
・その子の得意なことや好きなことを見つけて、大いに伸ばしてあげること。
きょうだいがいると、ついつい比べてしまいがち。たとえば勉強ができる兄を持つ、勉強ができない弟がいたとして、「お兄ちゃんは〇歳の頃にはもう九九ができていたよ」などと言えば、「だから頑張れ」とハッパをかけるつもりで言ったことだとしても、弟は「なのにお前は……」とダメ出しされたように感じます。
でも、弟は勉強が苦手でも運動が得意かもしれません。絵を描くこと、歌うことが得意かもしれません。
個人個人のいいところを見つけて伸ばすことが、Aさんのように人と自分を比較せず「私は私でいいんだ」と自信を持って生きていける子に育てるコツと言えそうです。
また、子供のいいところを褒めて伸ばすにあたっては、褒め方も重要です。それは、結果だけでなくプロセスにも注目し、セットで褒めることだとTsujiさんは言います。
テストの点数だけを褒めていては、カンニングして取った点でも褒められることになりますし、部活で掴んだレギュラーの座も、本人の努力によるものか誰かの足を引っ張って得たものかで価値が全く違うわけです。
つまり真に褒めるべきは、「過去の自分より成長したからこそ出せた成果」であり、これに集中して向き合っている子供は他人を妬んでいる暇はないはずなのです。
結果だけを見て褒めるのは簡単ですが、プロセスを褒めるためには子供をふだんからよく見ていなければならないので大変です。でも、だからこそ子供は「ちゃんと見ていてくれた」と感じ、自己肯定感も高まるのでしょう。
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我が子の成長を願う親だからこそ、できないことに目が行ってしまったり、周囲のできる子と比較してヤキモキしがち。
でも、誰かと比較してできない部分を指摘するより、性格でも能力でも日頃の行いでも、何かしら子供のいいところを見つけて日頃から褒めて伸ばしてあげるほうが、人を妬まない人間になるということがわかるエピソードでした。
我が子には、人を妬むよりも、自分を信じられる人間になってほしい。そう思う方は、ぜひ今回紹介した子育ての教訓を活かして、子供のいいところを伸ばす声掛けをしてあげてくださいね。