『おこづかい会議』のススメ

キッズ・マネー・ステーションの親子向け講座には「おこづかい会議」という人気プログラムがあります。

保護者と子どもが一緒におこづかいについて話し合いながら家庭内のルールを決めるという内容で、以下のような手順で話し合いをすすめます。

【おこづかい会議】

(1) 子どもから、おこづかいについての要望や提案を出す(いつ、いくら欲しいか/金額アップなど)

(2)おこづかいの渡し方を相談する(定額制/お手伝い制/ミックス制その他)

(3)お手伝い制・ミックス制の場合は、お手伝いの内容とそれに応じた金額を決める

(4) 家庭内のルールについて話し合う(ゲームの課金は上限を決める/困ったときはすぐに相談するなど)

(5)「おこづかい契約書」に、決めたことを記入し、保護者と子どもがそれぞれサインをして、契約成立♪おこづかい制のスタートです!

ポイントは、話し合いで決めたことはおとなも子どももきちんと守るようにすることです。

また、あまり細かくルールを決めると続かないことがありますので、実際にひと月トライしてみて、お互いに気になる点や修正したいところがあれば、定期的に見直しをすることが大切です。

兄弟姉妹でも、一人ひとり性格や成長段階が異なります。それぞれの子どもに、どのやり方を取り入れるのがよいか、ぜひご家庭で話し合ってみてください。

おこづかいは親子のコミュニケーションツール

我が家の場合、じっくり吟味して商品を選ぶ堅実タイプの兄と、あれもこれもすぐに欲しがる浪費家タイプの妹の様子が対照的で、お金の使い方にはそれぞれの性格がよく表れています。

堅実タイプには、お金を使う楽しさを体験してもらうために買い物の時間に余裕を持たせたり、浪費家タイプには、計画的なお金の使い方をアドバイスするなど、一人ひとりの個性にあわせた働きかけが必要だと感じています。

おこづかいについて日常的に話し合う事で、お金の管理の仕方や使い方、予算の範囲内で商品を選ぶ視点など、将来子どもが自立する時のために必要な知識や経験が増えていきます。

その子にあわせたやり方を日々試行錯誤しながら、楽しく学べる親子のコミュニケーションツールとして、「おこづかい」を活用してみてはいかがでしょうか。

【執筆者プロフィール】髙柳 万里

キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー
金銭教育を受ける機会が全くないまま社会人となっていたことに愕然とし、必要に迫られて平成二十年FP資格取得。「創意工夫と試行錯誤」をモットーに、主に親子向け金銭教育や教育費関連について執筆しています。

「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約300名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2023年までに2000件以上の講座実績を持つ。公式サイト「キッズ・マネー・ステーション