子ども嫌いでも“母性本能”は発動した

残念ながら、産んだ瞬間からわが子を「かわいい天使ちゃん」的に感じるような、劇的変化はなかったです。生まれてきたわが子にかけた第一声は「オツカレ」でしたし、なんというか、かわいいとか以前に、わが子は最初から一人の立派な「人」。

その立派な一人の「人」の命が自分の手にかかっているということに必死で、最初はかわいいなどと感じる余裕はありませんでした。

でも面白いもので、人間にも動物的な「母性本能」をくすぐるきっかけが、随所に散りばめられているものなんですね。

多少、気持ちに余裕が出てくると、ただおしゃぶりをベロベロしているだけの姿でも、カメラを連写する手を止められなくなるくらい、わが子がかわいく見えてくるのは衝撃的でした。

ずっと嗅いでいられるいい匂いも、母性本能をくすぐっていたのかも…(#53.5話より)

そのうち道ゆく子どもにもわが子の姿を重ねる機能が追加され、わが子がイヤイヤ期を超えれば、ダダをこねる他人の子にも思わず声をかけに行きたくなります(笑)。

“未知”ではなくなるごとに見え方が変わった

今では、娘の送迎で子ども園を訪れると、娘のオトモダチに囲まれてなかなか離してもらえないところまで来てしまいました。安心しろ、子ども嫌いでも、いつか子どもたちに囲まれて、なかなか解放してもらえない日が来るぞ、と、過去の自分に念を送っています(笑)。

これが「子が親を育てる」ってやつか…と実感しますが、それでもやっぱり、わが子より年上になると「未知」で怖い存在なのは相変わらず。今から反抗期に内心ビビッて不安を抱えています。

育児書は「参考」にはなるけれど、娘にぴったり合うことは少ないし、トラブルに対応できる「取説」は、やっぱり存在しません。

結局、産んだ直後から娘を「一人の人」として向き合ってきたように、これからどんな成長過程を迎えても、「一人の人」として向き合っていくしかないんだよな、と自分に言い聞かせています。

自分の趣味に“加えて”家族の楽しみが“増えた”

「自分の趣味」が軒並みできなくなると思い込んでいたのも、子作りに二の足を踏んだ理由の一つですが、それは「子どもができたら時間がない」と、四方八方から聞かされていたのが大きいと今では思います。

子なし時代に自分の母から「子どもができたら、子どもとやりたい楽しいことも増えるよ」と聞かされて、「イヤイヤ、私の趣味ができないなら、結局辛いだけだから」と思っていましたが、いざ、子どもを連れて出かけられる年齢になったら、まさにその通り「楽しみが増える」んですよね。

確かに時間に限りはあるので、「子育て」に時間を使う分、自分の趣味にしても「できること」と「できないこと」は出てきますが、それでも無条件に諦める必要はないんだと、気付けたのも大きいです。

産後直後からダンナを仕込んだ甲斐あって、産後3カ月でフェス参戦を決行できました(#50話より)

やりたいことを諦めるばかりではなくて、楽しいことが増える。

子どもがいても子なし時代の自分を封印する必要はないし、諦められない趣味をやる時間はちゃんとある。

時間をどう使うかは、自分次第。

悩みに悩んだ子なし時代の自分に、もしアドバイスを送れるとしたら、「子どもがいたって、ちゃんと自分らしく生きられるし、楽しいよ」と伝えてあげたいです。

もし、同じように閉塞感を感じて思い悩んでいる方には、こいつが大丈夫だったなら、なんかイケるかも、と思ってもらえたら嬉しく思います。

というわけで、今回で連載は終わりますが、まだまだ続く未知との遭遇にジタバタしながらも、ダンナと娘と共に、なんとか乗り越えていきたいです(笑)。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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横浜を愛する母ちゃんライター&エディター。エンタメ、レジャー、ビューティ、ウエディングに終活まで、幅広いジャンルの編集を手がけ、出産を機にライター業もスタート。活字中毒で、歴25年を超えるLUNA SEAのSLAVE(Jスレ)。趣味は、神輿やハーレー(ダンナの後ろ)、家庭菜園など。Instagram 

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