内藤くんは柳瀬の化身
――役柄についても聞きたいのですが、お互いに相手が役と重なると感じたところはありますか。
瀬戸:柳瀬と秀一郎くんは……。いや、無理かも(笑)。僕、いつも秀一郎くんって呼んでなくて。
内藤:「秀一郎くん」って(笑)。
瀬戸:いつも「秀(しゅう)」って呼んでいるんですけど、この場で秀って呼ぶのもって思って、それで下の名前で全部呼ぼうとしたら変な感じになっちゃった(笑)。内藤くんでいい?
内藤:内藤くんで行こう(笑)。
――呼び方が決まったということで(笑)、改めて役柄のことを。
瀬戸:内藤くんはまんまでした。もう柳瀬の化身かと。
内藤:そんなに褒めてくれるの(笑)。
瀬戸:でもホントに違和感なく柳瀬だな、と思っていました。
――柳瀬にはチャラチャラしている、みたいな一面もありますが。
瀬戸:(内藤も)若干ね(笑)。
内藤:(笑)。でも言われる。チャラチャラしてそうって。
瀬戸:おちゃらけるところもあるけど、やるときはやる!みたいな感じも柳瀬っぽいって思っていました。
内藤:瀬戸くんと金田は……金田を演じているときは、僕が想像していた金田なんですけど、素の瀬戸くんと金田を比べると似てるところがあんまりない。それこそ金田は寡黙だけど瀬戸くんはおしゃべりだし、人のことが超好きだしね。
瀬戸:そうだね。間違いない。
内藤:だから似てるところと言えば、仕事をするときの切り替えかな。
瀬戸:そこ、いつもめっちゃ褒めてくれるよね(笑)。
内藤:そこしか言うところないから(笑)。
瀬戸:おい!(笑)
内藤:嘘、嘘(笑)。でも、本当にその切り替えは見ていて大事だな、と思いましたし、勝手に学ばせてもらいました。
瀬戸:だから自分と逆の役の方がやりやすいんです。そう言えば、『(仮面ライダー)セイバー』の時はどんな性格だったの?
内藤:全くクールではなかった。おちゃらけてて、みんな大好きみたいな。ほぼこんな(自分)感じ。
瀬戸:そうなんだ(笑)。
――それぞれ演じる上で意識していたことはありますか。
内藤:僕は観てくださる方が柳瀬に共感してくれたらいいな、と思って演じていました。柳瀬の恋愛の仕方とか。お話の前半では柳瀬は金田から追われる立場なんですけど、追ってもらえると人って余裕が生まれるじゃないですか。だから自分の気持ちを金田に全然伝えないんです。
でもそれが一旦離れて、また戻って来たときに、金田の周辺が変わっていて。戻ってきて金田とスキンシップを取ろうとするんですけど、ライバル的な存在も現れていて、うまくできなくてやきもきするんですね。
嫉妬のような感情も生まれて、今度は柳瀬が追う側になる。そうなったことで金田の大切さや、自分の本当の気持ちに気づいて、それが出てくるようになるんです。そういうところを、観ていて「わかるな~」とかって思ってもらえたら嬉しいな、と思っていました。
瀬戸:僕はリアクションですね。今回、芝居を受ける側が多かったので、そのリアクションは大事にしました。視聴者の皆さんに納得してもらえる表情を自分ができているかを意識していました。
監督がこだわりを持って演出してくださったんですけど、少しのニュアンスの違いを求められることもあって、それは難しかったですね。僕らにとっては少しでも、監督にとっては結構違うもので、そこを修正していくのは苦労しました。