ふたりがいま“信じられるもの“”
――本作はタイトルが示しているように、“信仰心”みたいなものがテーマになっていると思うのですが、おふたりがいま信じられるものは何ですか?
磯村 信じられるもの? え~(少し考えて)、宇野さんは信じられる人です(笑)。僕がいろいろな秘密を話しても、宇野さんは絶対に口外しないと信じています。
宇野 じゃあ、いっぱい秘密を聞いておこうかな(笑)。
磯村 (笑)でも、何だろうな~。難しいな~。こういう仕事なので、自分自身を信じようとするところはありますね。
限界を越えていくために、“オマエならやれる!”って自分に言い聞かせている瞬間があったりしますから。
それこそ、今回も濡れ場が多かったり、解放的になっていかなければいけない役柄がこれまで通ってこなかったものなので、最初はどう演じたらいいんだろう? という不安もあったんですけど、そこで自分に鞭を打つと言うか、“大丈夫! やれるよ!”って撮影の前日に言い聞かせたりしましたからね。
宇野 僕の場合、信じられる物って言うと、やっぱり映画だろうな。
磯村 あ~それ、素敵な回答ですね。
宇野 映画ファンなので、いちばん信じたいものですね。
ふたりがいちばん好きな映画
――その流れでお聞きします。おふたりがいちばん好きな映画を教えてください。
磯村 「信じられる」ってことで言うと、僕はクリストファー・ノーラン監督が好きなので、合成に頼らず、実写で勝負するノーランのスタンスは信じられます。
画に説得力があって、どの映画も信じることができるから僕はすごく好きですね。
――ノーラン監督の作品の中では何がいちばん好きなんですか?
磯村 僕はSFがすごく好きなので、『インターステラー』(14)ですね。
いろいろ考えさせられるし、分からないところもあるから何度も観ちゃうんですけれど、観る度に発見があって面白いです。
宇野 「信じられる映画」ということで言うと、森崎東監督の映画です。
何度見ても自分をひっくり返される思いがします。
一つ選ぶなら、西田敏行さん主演の『ロケーション』(84)です。「映画とは何か?」ということを教えていただきました。
無人島でもし生活することになったら、ふたりは何を持って行く?
――映画の設定に絡めて、もうひとつお聞きします。無人島でもし生活することになったらおふたりは何を持って行きますか?
磯村 シンプルだけど、意外に難しい質問ですね(笑)。
宇野 これ、1人で行くんですよね?
――ひとりの設定じゃなくてもいいですよ(笑)。
磯村 じゃあ、僕たち2人で行ったことにします(笑)。
宇野 持って行ける物は一個だけですか?
――そうですね。
磯村 でも、万能的なもので言うと僕は斧かナイフなんですよね。
宇野 え~、2人で行くのに?(少し考えて)あっ、そうか、狩りに行ったりするのか!
磯村 そうです、そうです。別に殺すわけじゃないですよ! 食べてやろうと思っているわけじゃないです(笑)。
宇野 そうだよね(笑)。
磯村 まあ、斧にしようかな。斧があれば、何でも準備ができそうですからね。
宇野 確かに。じゃあ、僕は海水ろ過装置かな。
磯村 あ~、水、大事ですものね。
――おふたりとも真面目ですね。
磯村 いや、僕ら、本当に生きていくためのことを考えていますから!
宇野 何とか死なずに生きられることをね。
磯村 そうですね。でも、歯磨き粉とかも欲しいかな。
宇野 歯磨き粉はもう塩で代用して。
磯村 あっ、塩でやればいいのか!
宇野 磯村くんの年代だと、塩で磨いたことないよね。
磯村 ないですね。
宇野 昔、おばあちゃんとかは塩だけでしたよ。
磯村 聞いたことがあります。海水から塩は作れますしね。
宇野 そうそう。
――いまのお話だと、わりとサバイバルっぽくて、楽しい無人島生活っていう感じはしないですね。磯村さんだったら、例えばそこにサウナを作ってみたいな~なんて発想はないですか?
磯村 でも、斧があれば木を切れるので、サウナも作れると思うんですよね。
宇野 まあ、そうね。その斧って、貸してもらえたりするの?
磯村 いや、貸さないです(きっぱり!)。
宇野 あっ、そうなんだ。
磯村 斧が必要なときは言ってください。僕がやるので。
宇野 触ったらダメなんだ?
磯村 ダメです(再び、きっぱり!)。
――宇野さんは無人島でやりたいこととか、作りたいものはないですか?
宇野 僕は、磯村くんが狩りで獲ってきた物を料理しようかな。
磯村 あ~、嬉しい! それはいい分担ですね(笑)。
宇野 でも、後片付けは俺ちょっと苦手だから……。
磯村 作ってくださったら、僕が片付けます。あっ、宇野さんは海に潜って魚を獲れますか?
宇野 いや、僕はあんまり潜れないからな~。
磯村 分かりました。じゃあ、それも僕がやりますよ(笑)。