講談社「月刊アフタヌーン」にて連載中の『ブルーピリオド』(山口つばさ原作)初となる展覧会「ブルーピリオド展~アートって、才能か?~」が現在、東京・天王洲の寺田倉庫G1ビルにて開催中。8月6日(土)からは後期展示がスタートしている。
実物の絵画約50点を展示
同作は成績優秀な高校生・矢口八虎(やぐち やとら)がある日、一枚の絵に心奪われたことをきっかけに、美しくも厳しい“美術の世界”に身を投じ、進路に日本最難関の東京藝術大学の油画専攻を志す物語。2020年にマンガ大賞を受賞し、翌年にはMBS・TBS系列にてテレビアニメ化。さらに今年3月には舞台化も果たした人気コミックだ。
“好き”を支えに、美大を目指す若者たちの奮闘に加えて、美術のノウハウやうんちくも満載の同作だが、最大の特徴は、作中に登場する多くの美術作品すべてが、アーティストや学生によって実際に描かれた作品という点。
「ブルーピリオド展」では、その中でも物語のキーとなった作品や、主人公・八虎のターニングポイントとなった作品を中心に、実物の絵画約50点を展示。それらを通して、名場面や印象的なシーンがよみがえり、来場者が八虎の物語を追体験できる構成になっている。
人気キャラクターたちが石膏像になった「キャラ大石膏室」や、1次試験「自画像」のシーンが再現された空間も。絵でいかに質感や重さを表現するか? 黒い画材で、白い石膏像を描くには? そんな受験生たちの試行錯誤を実際に味わうこともできる。また、鏡が割れてしまうアクシデントから、八虎が多面的な自分というヒントを得て、一発逆転を目指した名場面が目の前に広がる。
キャラクターが全員集合する相関図を、パレットに見立てた「キャラクターパレット」や、名シーンに没入できる巨大複製原画の部屋といった趣向をこらした展示も本展覧会ならでは。