『ミッドナイトスワン』でその手腕を世間に知らせた内田英治が監督を務め、刑事から警察音楽隊へ異動となった男とその周囲の人たちの悲喜こもごもを描く映画『異動辞令は音楽隊!』が8月26日より公開となる。
刑事一筋30年、犯罪捜査に人生のすべてを捧げてきたものの、前時代的な捜査方法が仇となり、“警察音楽隊”へ異動させられる阿部寛が扮する成瀬。高杉真宙は音楽隊の一員でサックス担当の北村裕司を演じる。
実は刑事志望だった北村は、成瀬のことが疎ましくもあり、うらやましくもあるという複雑な心境を抱えた役どころ。バランスを大切にしたという役作りや、内田監督、阿部らとのエピソード、そして本作の見どころの一つである音楽隊としての演奏についてなど、たっぷりと語ってもらった。
願っていた内田英治監督作品への出演
――本作への出演が決まった時の印象から聞かせてください。
まずは内田(英治)さんとご一緒できることが嬉しかったです。そう思うようになったきっかけは(第44回 日本アカデミー賞 最優秀作品賞などを受賞した)『ミッドナイトスワン』(2020年公開)だったので、思ってからすぐだったというのもありがたかったです。
――実際にご一緒してみてどうでしたか。
スタッフの皆さんが、内田さんとはよくご一緒されている方ばかりだったので、意思疎通の取られ方がきれいだなと思いました。あとはカメラワークがぐるぐると回ったり、いろんなところから撮っているのも見ていて楽しかったです。
僕、撮影中に自分の映像をチェックすることってしないんですけど、今回は気になって見に行くことがありました。「こんな風に撮られていたんだ!」と思うようなこともあったり。手持ちのカメラで撮っていたのが、こういう迫力につながるんだとか。カッコいいなって。
――演出面で印象に残っていることはありますか。
監督が僕に直接言ったことではないんですけど、衣装合わせの時にボソッと「もっとダサい方がいいな」と言っていて。それで北村は結構ダサい感じなんだなと理解しました。
衣装とかメイクってキャラクターを作る上ですごく重要なものだと僕は思っていて。同じ役でも小綺麗にすることもできるし、それで印象が変わってくると思うんです。
北村に関してはダサいというか服に関心がないタイプで、仕事に対しては真摯な向き合い方ができて、ツンケンしたところがあってと、少しずついろんなところから情報を得て作っていきました。
――個人的には演奏シーンで着ていた白の制服がカッコ良かったです!
あれはカッコいいですよね! 僕も衣装合わせの時に「いや~制服カッコいいな」って思いました(笑)。実際に着てみると、みんなさんが煌びやかで「音楽隊やってるな」っていう気持ちにもなりました。