金融機関を選ぶポイント
1:通帳が必要かどうか
前提として、店舗がある銀行は通帳の有無を選択できますが、ネット銀行は画面上での取引になります。
筆者としては、おこづかいを始めるくらいの時期であれば、やはり実際に見て触って書き込める通帳があると安心だと思います。“キャッシュレスのお金”が見えないために理解するのが難しくなるのと同じく、画面上での取引状況の把握は、小さな子どもにとって容易ではありません。
とはいえ、ネット銀行は通帳がない分、画面操作でとても利便性の高いサービスを提供しているので、成長に伴いお金の入出金やWeb操作にも慣れてきたら検討してみましょう。
2:子どもと一緒にお金を預けに行けるかどうか
始めは親子で、いずれは一人で行ける生活圏に店舗やATMがあると、子どもにとって貯金が身近になります。
可能であれば子どもと一緒に開設手続きをし、窓口で自分の名前入り通帳を受け取ることで、大人になったようでやる気アップに繋がるでしょう。
3:子どもが愛着を持てるデザインかどうか
子どもが自分のお金だと愛着もって使えるものがいいでしょう。
例えば、子どもの写真入り通帳を発行してくれる地方銀行や信用金庫、子どもが好むキャラクターデザインを選べる銀行などがあります。
また、開設時の入金額を出生体重やお誕生日の数字にして特別感を出す工夫もありますね。
4:将来子どもがどこに住んでも使い勝手が良いか
現在は各金融機関のインターネットサービスが進化しているため、店舗の有無は特に問題にはならない場合もありますが、全国どこにいても仕送りなどの送金がしやすいか、ATMの設置個所や、手数料の有無も考えて選ぶと将来使える安心感は増します。
代表的な金融機関例
続いて、送金のしやすさと手数料を比較してみました。
例1:ゆうちょ銀行(郵便局)
全国どこにでもある安心感はありがたいものです。
・通帳とカードどちらか一方で入出金できるので、将来どちらかを預かり、仕送りを直接入金することも可能
・ゆうちょダイレクト(インターネットサービス)で同行間の送金は月5回まで無料
・コンビニATMの利用料も他金融機関より比較的安価
例2:三菱UFJ銀行(メガバンク)
・地方でも主要な都市には店舗があり、利用できるATMは最大級
・三菱UFJダイレクトで同行間の振込手数料は制限なしで無料なので、仕送りに有利
・通帳なしのWeb通帳にすると、ATM手数料が優遇。また、10年分閲覧でき、Web明細にメモができ、印刷も可能
・ディズニーデザインの通帳がある
送金のしやすさでは、同行間振込みは無料の金融機関が多いです。まずはご自身のメインバンクで子ども口座を持ったら…とイメージしてみるのはいかがでしょうか。
また、手数料等は子どもが成長する頃には変更されている場合もあるので、まずは子どもと一緒にお金の管理を楽しんでできるよう、生活の中で身近に感じられる金融機関を選ぶのが良さそうです。
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最近、金融教育を国家戦略として推進するというニュースが流れましたが、何よりのスタートは、家庭で自然にお金の大切さに触れさせてあげることです。
お年玉やお祝い金をいただいたら、子どもの口座を通して、親子で大切なお金をどう使ったら幸せか考え、大切なことにお金を使える練習のファーストステップにしてくださいね。
【執筆者プロフィール】北村 由紀
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー
小6・小4・年長の現役ママFPとして和歌山市で“お金でつむぐ親子時間”を応援する教室を開催。「家族の未来にワクワクを」をモットーに、ママ向け、親子向けに家庭で楽しく生きるチカラを育む方法をお伝えしている。他に、行政講座講師、小学生新聞・WEBコラム執筆で活動中。