防犯カメラの場所を親子で確認しておこう!

普段、子どもが一人で歩く道を親子で一緒に歩いてみて、困ったときに駆け込める場所を確認するのに加えて、防犯カメラの場所もあわせて確認することも大切だと森さんは話します。

そして、防犯カメラの設置されている場所の近くを優先的に歩くようにするといいそうです。

森「自宅周辺の防犯カメラ環境を確認しておくことは重要です。

防犯カメラは子どもがいなくなった際、足取りをたどれる重要な要素です。警察も有事の際は、まずはいなくなった場所周辺の防犯カメラを確認します。防犯カメラのない場所で行方不明となった際は、目撃者を探したり、臭気追跡などの手法をとって探しますが、カメラの映像があるのとないのでは、捜索のスピードや精度が格段に違います。

また、犯罪をくわだてる者は、防犯カメラが設置されている場所を避ける傾向があり、犯罪の抑止効果もあります」

最近では人の異常行動をAIが解析することで察知する防犯カメラなども出てきており、技術が進歩しているそうです。

森「今は防犯カメラも進化しており、不審な動きや危険行動をAIが検知して通知することもできるようになっています。

例えば、アジラという会社の行動認識AIという技術の『違和感検知』という機能では、『あの人なんか怪しいな』という人特有の感覚をAIが持っており、不審者らしき人の検知ができます。

あらかじめAIが、その場所での通常の人々のふるまいをカメラに映り込む人々の行動から学習し、その通常行動から大きく逸脱した挙動に対して違和感行動としてアラートを出します。

この機能を使えば、例えば子どもをねらい、同じ場所で長時間うろつく不審者などを把握することができます。不審者に警備員が声かけなどを行うことで、潜在的な事件を未然に抑止することにつながるでしょう。

また現在、迷子の捜索機能なども開発中とのこと。今後は防犯カメラにも期待していましょう」

子どもの連れ去りや迷子などを防ぐには、親の心がけが最重要。我が子にも危険が起こる可能性はゼロではないことを意識し、ぜひ起きる前に今回ご紹介した方法で事前に親子で備えましょう。

【取材協力】森 雅人さん

一般社団法人日本刑事技術協会理事
警察の元警部補。警察では主にサイバー犯罪の捜査を担当。現在は防犯専門家として全国で講演活動などを行っている。日本テレビ「世界一受けたい授業」など、各種メディアにも多数出演。
【出典】
※1 警視庁「行方不明者数の推移 等」

※2 警視庁「令和元年の刑法犯に関する統計資料」

【参考】
※3 警視庁「おやこでまなぼう!「いかのおすし」で毎日安全!」