「ダメ」と言う前に約束をしよう
スーパーで楽しくて走り回ってしまう子に「ダメ!」という前にできることがあります。
「スーパーに行ったら、男の子は走ります。もうお約束のように走ります。そうなるとわかっていても、親にできることはあります。それは、スーパーに入る前に、『スーパーでは、歩くんだよ。走らないよ』と約束することです。この“入る前”というのが、とても大事です。入ってしまうと楽しくなってしまい、親の言葉など耳に入りませんから」
約束をした上で、してはいけないことを確認します。
「わかっていても、走ってしまう。わかっていても、さわってしまう。これが男の子のあふれ出る衝動です。この辺りは、女の子とはずいぶん違うと感じます。
そういうときは『走っていいんだっけ?』『ねえ、買っていないお菓子をさわっていいんだっけ? 』と確認するのです。わかっていても、してしまう。男の子に衝動があるのは仕方ありません。
そこを理解した上で、“何かをする前に”約束をする。そして、それが守れなかったときには、約束をしたことを確認する。これを繰り返すことで、ちゃんと約束が守れるようになります。大丈夫です。のんびりいきましょう」
*
これまでの声がけを変えてみると、様子が少しずつ変わってくるのがわかるでしょう。
親がよく子どもを見て、ときどき必要なときに手助けしてあげることが、何より子どもの才能を伸ばすことにつながります。
【参考書籍】
男児のなぜ? どうして? がスッキリ!! モンテッソーリ流「才能がぐんぐん伸びる男の子」の育て方
【著者】神成美輝
幼稚園教諭4年間、病児保育室2年間を経て、モンテッソーリ教育で著名な早稲田フロンティアキッズに7年間勤務。その後、2009年12月フロンティアキッズ河田町開設に伴い園長就任。保育士、幼稚園教諭2種。モンテッソーリ教育をさらに実践するために2012年モンテッソーリ教師の資格を取得し、園長を辞めて現場に復帰して、系列のメデュケア モンテッソーリナーサリースクールにて一指導者として勤務した。子どもだけでなく、親への啓発にも力を入れている。モンテッソーリの現場に精通している。
【監修】百枝義雄
吉祥寺こどもの家園長。モンテッソーリ・ラ・パーチェ トレーニングコース代表。大学卒業後、進学塾の講師・運営職を経て、不登校・高校中退生のためのフリースクールを設立する仕事に従事。人格の土台を形成する教育の必要性を感じ、モンテッソーリ教育と出会う。1998年、モンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家」を開園。2012年、新しい教員養成コース「モンテッソーリ・ラ・パーチェ」を立ち上げ、代表を務める。日本全国で、保育士・幼稚園教諭・両親など様々な大人を対象として保育、育児についての研修会や講演会を行う。著書多数。