2021年に連続ドラマとして放送された『TOKYO MER~走る緊急救命室~』が、劇場版となって帰ってきた。
オペ室を搭載した大型車両“ERカー”で事故や災害現場に駆け付ける救命医療チーム“TOKYO MER”の活躍を描いた本作。
主演の救命救急医・喜多見幸太を演じる鈴木亮平を筆頭に、賀来賢人、中条あやみ、小手伸也、フォンチー、菜々緒らの“TOKYO MER”のメンバーが勢ぞろいし、もちろん臨床工学技士兼、機関士・徳丸元一を演じた佐野勇斗もその名を連ねる。
ドラマ以上にスケールアップした物語で、再び同じキャラクターを演じることを「純粋にうれしかった」と語る佐野に、本作のことはもちろん、所属するボーカルダンスユニットM!LKの“仲間”とのエピソードまで、たっぷりと話してもらった。
鈴木亮平の存在が「一つの大きな指針で、心の支えになっています」
――連続ドラマの撮影中に「続編があるかも?」という噂が現場で出ていたそうですね。
確か、(撮影期間の)後半に「映画化する?」みたいな話がありました。聞いたときは「だろうな」というか、「これだけ好評だったら続編やりたいよね」って(笑)。具体的なことがわかってなかったので、客観的にそんなふうに思っていました。
正式に決まったことを知ったときは純粋にうれしかったです。連ドラの撮影はめちゃめちゃ大変でしたけど(苦笑)、「またこのチームでできるんだ」って。僕、ドラマでは、初回からちゃんと出ていた作品が、繋がって映画になるという経験がなかったので、それもうれしかったです。
――おっしゃるように反響が大きなドラマだったと思うのですが、当時、どのくらい実感していましたか。
正直、僕はあんまりドラマの視聴率は気にしていなくて(苦笑)、数字を言われてもピンとは来ていなかったんですけど、周りの人たちから「みんな観てるよ」とかって言われると、「ああ、すごいんだな」って思っていました。それに、自分で(ドラマを)観ていて面白いって思っていました(笑)。
――ご自身ではそこまで反響は気にしていなかった?
僕自身はもうとにかく現場で、皆さんからお芝居を吸収することだけを考えていました。
――今、改めて振り返ると、ドラマ『TOKYO MER』は佐野さんにとってどんなものでしたか。
いろいろあるので一言で言うのは難しいですけど……やっぱり(鈴木)亮平さんとこんなに長い時間、一緒にお仕事をさせてもらえて、その姿を間近で見せてもらえたことは大きかったかな。
どの現場に居ても、少し「キツイな」と思うようなときは、亮平さんの姿が思い浮かびます。僕もありがたいことに作品に出させていただく機会が増えているんですけど、「亮平さんに比べたら、こんなのは全然だな」って思えるんです。
僕にとっての一つの大きな指針で、心の支えになっています。そういう方に出会えたことは、とてもありがたいですし、この作品に出られて良かったなと思えました。
――それは、鈴木さんの役に向き合うストイックさのようなところですか。
もちろんそこも人並外れているんですけど、なんて表現すればいいのかな、難しいな……。こんなに難しい役なのに、鈴木亮平さんではなくて、喜多見幸太になっているのがすごいなと思います。
楽屋とかで動きやセリフの練習をしていたり、そういう背景も見ているだけに、余計にその想いはあります。演じるというか、もう喜多見幸太になっているというのが印象的で。自分のまだまださを痛感させられました。