自分のためだけには考えられない
――劇場版について、会見で鈴木さんが「仲間の絆」が根底にあるとおっしゃっていたのですが、佐野さんが「仲間」に対して感じていることや、印象的なエピソードがあれば教えてください。
それで言うと、やっぱりM!LKのことですかね。僕がちょっといろいろあって、気持ち的に「ヤバイな」って感じたときに、メンバーにそのことを話したら、みんなが僕の家に集まってくれたんです。僕、メンバーには何でも話すので。
「勇斗がヤバそうだからみんなで行こうぜ」って言って来てくれて、5人でご飯を食べて、いろいろ僕の話を聞いてくれました。それはすごくうれしかったですね。本当にメンバーに救われました。
――メンバーには弱いところも見せられるんですね。
見せちゃいますね。というか、僕の弱いところも、ダメなところも知ってくれているのがメンバーです。
――佐野さんは常に周りに気を使って頑張っているイメージがあるのですが、そうしなくてもいられる感じですか。
そういう意味では両方の自分がいて。メンバーの中では最年長なので、自分が頑張っているところを見せたいとか、引っ張って行かなきゃという気持ちがあるんですけど、それと同時に、例えば、きつかったりするときは無理に頑張らなくてもいいとか。
甘えていると思うんですけど、外の現場だったら「頑張らなきゃ」ってなるところを、そうしないでもいられる。気にせずに無言でいられたり、寝ちゃったりできるんです。
――そうやって大変ことがあっても頑張れる原動力は何ですか。
これは昔からずっと言っていて、ホントに面白いことが言えないんですけど。
――気を使わなくても大丈夫です(笑)。
結局、家族、メンバー、スタッフさん、応援してくれるファンの皆さん、みんなが担いでくれる神輿に乗っかって、僕なんかが表舞台に立たせてもらえているわけで。だからそのみんなには絶対に恩返ししたい、しなきゃいけないって思っています。
マネージャーさんには「仕事大変~」とか、「オフください」とかってよく言ってますけど(笑)、きつくても頑張れるのは、根底にこの想いがあるからです。みんなが元気をもらえて、笑顔になってもらえるように頑張りたいです。
――自分のためにこれを実現したいとか、これだけはやっておきたいとかは?
……例えば、多少お金持ちになりたいとか、いい車に乗りたいとか、そういう気持ちもゼロではないんですけど。僕、目標としていつもM!LKでドームツアーをしたい、と言っていて、それはもちろん自己満足の部分もありますけど、(ツアーが)できたらみんなが喜んでくれるだろうなっていう想いが大きいんです。
M!LKという存在がなかったとしても、そしたら家族が喜んでくれるかなって考えると思うし、それもなくなったら何をしていいかわからない。自分のためだけには考えられないです。
――そうすると、何かをやるときは、誰かにいい影響があるかを考えてやっていると。
きれいな言い方をするとそうなっちゃうかも(笑)。もちろん「こういう作品に出てみたいな」とかはありますけど、それもやっぱりみんなのことを想う中で考えることですね。
――ちなみに、車の話が出てきましたが、運転免許は取れたのですか。
それは取ります。今年中に取ります!
――いい車に乗りたいですものね(笑)。
はい(笑)。それは自分のためですね。
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取材中に、佐野さんが主演を務める現在放送中のドラマ『おとなりに銀河』(NHK)の話を少しだけさせてもらい、「久我一郎のキャラクターが合っている気がします」と伝えると、「僕をまだわかってないですね。プライベートの僕はあんなんじゃないですよ(笑)」といたずらっぽく笑っていた佐野さん。
目の前の命を守るために全力を尽くす徳丸も、家族や好きな人に不器用ながらも懸命に向き合う久我も、今なら同時に楽しめます!
ヘアメイク/望月光 スタイリング/伊藤省吾(sitor)
作品紹介
劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』
2023年4月28日(金)全国ロードショー