ソーシャルグッドなゲストハウス「Cocts Akihabara」(コクトス アキハバラ)の支配人で、社会課題について学ぶ一歩を踏みだせる空間づくりに取り組んでいる小泉秋乃さん。
泊まるだけで社会貢献になる!? 秋葉原のゲストハウス支配人が目指すもの【インタビュー前篇】 に続くインタビュー後編では、Cocts Akihabaraで働くに至った経緯や、社会貢献と仕事の両立の難しさについて話を聞きました。
鬱を経験し、無力感と悔しさの中で生きた日々
──難民キャンプでのボランティアや大学卒業を経て、Cocts Akihabaraで働くまでにはどのような経緯があったのでしょうか?
難民キャンプでのボランティアを経た大学4年生のときは、ソーシャルセクターなどの社会問題への取り組みを主軸としたキャリアに進もうと考えていました。しかし、そのタイミングで鬱になってしまったんです。
インターンや就活をする心身の余裕がないまま、コロナ禍で混乱中の社会に放り出されて、それでも足元の経済は守っていかなくてはいけない。
「自分は何もできていない」「社会に目を向ける余裕もない」と悔しさを感じながら、アルバイトで生活を繋いで、生きることだけに精一杯でした。
そんなモヤモヤした日々の中、親友の紹介でCocts Akihabaraに出会い、「これだ!」と思ったんです。
ゲストハウスはもともとよく泊まっていましたし、働いたこともありましたが、それまでは単純に“世界中の人と出会える楽しい場所”という認識でした。
社会貢献とかけ合わせるという発想はなかったので、「ゲストハウスでも社会貢献ができるんだ」と別々に分けて考えていた2つの世界がつながった瞬間でした。
はじめはフルタイムで働く自信がなくアルバイトとして入社したのですが、大きなやりがいを感じて、声かけをいただいたタイミングで支配人になりました。
この場所で働くことが「こんな自分にもできることがある」と思い出させてくれたんです。