公開されたらめっちゃエゴサしそう
――今回、京本さんにとって映画での初単独主演作となりましたが、この経験によって何かご自身の中で変化はありましたか。
前提として、作品が皆さんに届いたときにどう感じていただけたかで、自分の自信になるかも含めていろいろ変わってくるのかなとは思います。
ただ現時点では、主演映画というものに憧れもあったし、何ならここ数年は自分には無縁だと思っていたので、それが20代のうちに叶ったことは、驚きであり、本当に感謝をしています。
映像作品は7、8年やっていなくて、最近になって急に主演ドラマとか、映画という機会をいただけているので、本当に奇跡のようです。
さらにそんな中で、僕に合っていると言っていただける作品に恵まれていて。今回も「ぴったりだね」と言ってもらえるものに出会えたことがうれしいです。何より今は、皆さんにどう受け取ってもらえるかが楽しみなので、公開されたらめっちゃエゴサしそうな気がします(笑)。
――何か映像のお芝居の仕事が増えるきっかけなどはあったのでしょうか。
「映像もやらせてください」って直談判したとか、自分でそっちに導かれようと動いたわけでもなく、自然と増えていったので、むしろ自分でも驚いているくらいです。
もしここ1、2年、映像のお芝居の仕事をいただけていなかったら、たぶん、音楽に全振りしていたとは思います。今は本当にぜいたくな悩みなんですけど、音楽もいろいろとやりたいことがあるので、撮影の合間にどれだけやれるかという感じになっていて。
これまで通りに求められることにもしっかり応えながら、逆にお芝居で得たことを音楽に還元することもできるので、互いに還元し合っていければいいなと思っています。
――両方やるのは大変ではないですか。
大変ではありますけど、難しいところですよね(笑)。この状態がずっと続くのがスターなんだと思いますけど、これからもそうである保証があるわけではないから、とにかく、今は求められているもので結果を出して、次につなげていくという意識でやっています。
20代に何をやってきたかによって、30代が決まるということを、周りの皆さんがよく言っているので、少なくとも自分の中では、20代の最後(現在、29歳)を駆け抜けるということを目標にしていたんです。だから、今のようにいただけるお仕事がなかったとしても、たぶん自分で仕事を作り出して、詰め込んでいたとは思います。
でもそうやって自発的に行動しなくても、舞台(『モーツァルト!』)まで、この一年はたくさんのお仕事をいただけているので、理想通り駆け抜けられそうです。数年後に振り返って「20代ラスト、めっちゃ仕事したな」って思えそうなのがすごくうれしいです。