人間関係をうまく構築できている人は、ちょっとしたことを常にしている

ロバート・ウォールディンガー教授 ウェルなわたし

─── 日本は幸福度ランキングが低いことで有名です。日本で暮らす読者に、幸せになるためのアドバイスはありますか?

日本には長時間労働による過労死や、メンタルヘルスの問題も多くあると思います。文化的、構造的な問題でもあり、自分だけで変えることが難しい場合もあります。

しかし、幸せになるために、必ずしも自分の生き方を180度変える必要はないんです。小さなことでいいんです。

人間関係をうまく構築できている人は、ちょっとしたことを常にしています。

通勤をしている間に友達とこまめに連絡を取ったり、家族と食事をしたり。労力を使って時間を作るというよりは、小さなことを継続しているんです。

私が特におすすめしているのは、日にちを決めて定期的な集まりを開催することです。

信頼できる2〜3人の人と定期的に時間を過ごすことが、ウェルビーイングにとって非常に重要です。

毎週、毎月◯日に必ず会う、といったように予定に組み込んで習慣化しまえば、新たに予定を立てる必要もなくなります。

また、大切な人たちに確実に時間を使えるようになれば、長期的に良い人間関係を構築することができます。

私自身も『グッド・ライフ』共著者のマーク・シュルツとは毎週金曜日、夜の12時に必ず電話をするんです。

彼と私は遠くの州に住んでいるんですが、仕事の話や家族の話、身の回りで起こっていることをなんでも話すようにしています。

もう何年もこの習慣を続けていて、旅の写真を送りあうこともありますよ。

大切な人にできるだけ時間を使い、人間関係を無理なく続けていくことが幸せの秘訣です。

今からでも遅いことはありません。

右から林慶(ウェルなわたし編集者)、ロバート・ウォルディンガー教授、小泉秋乃(ライター) ウェルなわたし

(完)

1997年生まれ。LGBTQ(P)、she/they。2018年より日本で暮らす難民支援を開始し、2019−20年には中東とヨーロッパの難民キャンプでボランティアを行う。現在はソーシャルグッドがテーマのホステルで支配人をしながら、歌も勉強中。