監督を信じて新たな役柄に挑戦
――目の前のチェ・ジウさんからは想像できないホラーものですが、最初にオファーされた時はどう思いましたか?
まず、シナリオがとても面白かったです。スリラーものとはいえ、とにかくびっくりさせて驚かせるような恐怖だけではなく、何かとてもユニークでウィットに富んでいて、それぞれのキャラクターをどの俳優が演じるのだろうという期待がありました。
最初は私がやるとは思っていなかったんです。
シナリオは面白かったんですが、私がこれまで演じてきたキャラクターとはあまりにも違ったので慎重になった部分もあり、監督に“私にはできそうにありません、自信がないです”とお伝えしました。
監督は、シナリオを書いている段階から私が演じることを念頭に置いて書いたので、ぜひやってほしいとおっしゃってくださって。
私の新しい一面を見せたいと思ってくださったようで、それは私も同じでした。何より、監督は『1942奇談』『コンジアム』といった作品でホラー界では人気の方なので、監督を信じてやってみようと思いました。
――個人的にホラー映画はお好きですか?
怖いのは嫌いなんです。怖いです〜(笑)。
普通に怖いくらいまでは見ることができますが、急に何かが飛び出してくるとか、消えてしまうとか、そういうのが怖くて心臓が飛び出しそうになります(笑)。
実は、監督の『コンジアム』は何度も見たんですが、最後までは見ることができていないんです。
とても怖すぎて……。映画は、日本のアニメ映画がとても好きですし、ヒーローもの、恋愛もの、コメディ、子ども向けのものまで、ホラー以外のジャンルは全部好きです。
――チョン・ボムシク監督は世界から注目される“Kホラー”ムービーを代表する監督ですが、チェ・ジウさんから見た“Kホラー”の魅力は?
難しい質問ですが、アイディアの豊富さじゃないですかね。
分かりやすい幽霊ものだけでなく、幽霊が出なくてもゾッとする映画とか、多彩でいろんな種類があるところ。迷信的な話も韓国映画には多いですよね。そんな部分だと思います。
――『ニューノーマル』はオムニバス映画で、出演俳優たちはほかのエピソードとどうつながるのか聞かされていなかったそうですが、映画の完成版を見ていかがでしたか?
この映画の一番大きなテーマが“孤立”なんです。なので、どんな俳優たちがキャスティングされたのかは知っていましたが、どの役を誰がやって、話がどう展開していくのかについては全く知らされていなかったんです。
私も完成した映画を見てやっと、こういうふうに話が繋がっていて、次の展開になっていくんだなと分かりました。
俳優も知らないうちに自然に演じながら一つの連結した話が完成していたので、私自身、そういう部分がとても面白かったです。
今回、ほかのエピソードの撮影は見ることができなかったですし、ほかの人が現場に入れないように監督が徹底させていました。珍しいことに台本読み合わせもなかったんです。