笑いが一番難しいんじゃないかって思います
撮影/小嶋文子
――福田雄一監督とは『斉木楠雄のΨ難』(2017年公開)、『ヲタクに恋は難しい』(2020年公開)に続き3度目のタッグとなりますが、どんなお話がありましたか。
最初の段階で、この雲隠九郎というキャラクターをどうしていこうかという話をしました。今回はアクションも多いので、そこは監督も気合が入っていて、九郎の髪型のストレートで尖っている感じとか、ビジュアル面も含めて細かく相談しながらやってきました。
現場では何か言われることはそんなになかったですけど、やっぱり熱を込めて演出してくださったのはお笑いのシーンでした。
――出演オファーがあった時はどう思いましたか。
原作も読んでいて、笑いの要素が多いのも知っていたので、なるほどなと。このお話と、福田組がかけ合わさったら、すごい化学反応が起こるんじゃないかと思いました。それに、最近は自分もアクション作品をわりとやらせてもらっていたので、その経験値も活かしつつ、福田さんと新たなかかわり方でご一緒できるのはうれしかったです。
©花沢健吾/講談社 ©2025「アンダーニンジャ」製作委員会
――この原作と福田監督がタッグを組んだことでの相乗効果はどんなところに感じましたか。
戦いのシーンと、日常のゆるいシーンとか、笑いがあるシーンとですごくギャップがあるところですかね。それをこういう形でできるのは福田組しかないと思いました。アクションシーンの直前とか、最中にもちょっとした笑いがあるとか。
九郎が野口(浜辺美波)から指輪を受け取る場面で、その指輪がなかなか取れなくて手間取るという動きがあるんですけど、あそこは福田さんが「全然取れないって感じにして」という演出をされて、「なるほど。面白いな」って思いました(笑)。目の前に敵がいるので、そこから目を離したら殺されるかもしれないから、指輪のほうを見れなくて取れないという。
あとは、ものすごいことが起きているのに、そこに何も知らない野口がいるという対比みたいなこととか。そういうところが福田さんが作る映画版の『アンダーニンジャ』の面白さだと思いました。しかも、それを学園ものにするというのもすごいですよね。
撮影/小嶋文子
――山﨑さん自身が福田監督から受けた影響はありますか。
福田さんの現場は常に笑いがあって、キャストもスタッフも楽しくやっていて、お客さんもそれを観て笑って幸せな気持ちになるという。誰一人不幸にならないのがすごいことだと思うんです。
映画を撮ってはいるんですけど、楽しいことが一番で、遊びの部分というか、仕事だけど本気で遊ぶという笑いのプロの方々がいて。そういう現場ってなかなかないので、いろんな気づきになりました。“楽しむ”という気持ちを持つことは、福田組以外の作品に参加する時にも意識するようになりました。
そういう意味でも、最初に20代前半でご一緒させてもらって、そのあとも定期的にご一緒できているのはうれしいです。あとは、笑いの難しさも学びました。今は笑いが一番難しいんじゃないかって思います。(笑いのシーンは)独特の緊張感もありますね。





























