「えっ?」がこんなに面白いのかと(笑)
撮影/小嶋文子
――具体的なシーンについても伺いたいのですが、押し入れでのムロツヨシさん演じる大野とのやり取りが最高でした。かなり長いやり取りが続いていましたよね。
後半、(台本上より)だいぶ伸びています(笑)。
――山﨑さんも笑ってしまっていて。
九郎は、ほぼ「えっ?」しか言ってなかったですけど、「えっ?」がこんなに面白いのかと(笑)。ムロさんがセリフを言い終わったら、僕がふすまを閉めるんですけど、台本には2回ぐらいまでのやり取りしか書いていなくて。
でも監督からのカットがかからないとやめられないので、そこから先は「どうしよう?」と思いながら、とりあえず僕がふすまを閉めて、またムロさんが思いっきり開けて出てきたら「えっ?」って、毎回、新鮮な気持ちでリアクションをしようとは思っていました。
笑ってしまっているのは、とにかくムロさんが面白過ぎて、耐えられなくて。九郎のキャラクター的には笑わないほうがいいとは思っていたんですけど無理でした。そういう部分も使うのが福田さんの面白いところですよね。
©花沢健吾/講談社 ©2025「アンダーニンジャ」製作委員会
――最終的にはカットがかかって終わりにできたのですか。
そうです。「いつまで続くんだ?」って思っていたので、「カット!」って言われた時はちょっとホッとしました(笑)。やっている最中は、「やばい……ここから何をやったらもっと面白くなるんだろう」って、いろいろ考えてはいたんですけど、結局「えっ?」しか言えなかったです。
©花沢健吾/講談社 ©2025「アンダーニンジャ」製作委員会
――九郎の役どころ的にいろんな人とアクションシーンを演じていましたが、印象に残っている場面はありますか。
どれも一対一の戦いだったので、全部が印象に残っています。例えば、九郎の登場シーンでもあるアレクセイとの戦いは、ビシッと決めて映画を観ているお客さんの気持ちをつかみたいという想いもありつつ、九郎らしくだるそうで余裕な感じも出したいので、そのバランスをアクション監督の田渕(景也)さんとも相談しながら作っていきました。
動きがいろいろと決まっている中で、相手を締めながらも「こうやったら余裕な感じが出るな」とか、細かく動きを考えて。ダルそうだけど強いみたいなのは常に意識していました。
主事さん(平田満)との戦いは足の指で刀を押さえたり、一つひとつ漫画のカットを忠実に再現できるようにすることも楽しかったです。
最後のクライマックスでの戦いも、それまで相手を圧倒してきた九郎が苦戦をする場面もあって印象に残っています。そこは漫画を読んでいるときも衝撃的だったので、その緊張感とかが、映画を観るお客さんにも伝わるようにしたいと思ってやっていました。
©花沢健吾/講談社 ©2025「アンダーニンジャ」製作委員会
――アクションは現場に入る前に練習する時間もあったのでしょうか。
練習はすごくしました。手の指を柔らかく使えるようにしたり、目突きがいつでもできるようにしたり。あとは、基本的な構えであったり、足も使うので、指を広げてストレッチをしたり。アクロバットな動きもあるし、日本刀を持って戦うシーンもあるし、一つひとつが新鮮でした。




























