ライターという仕事柄、様々なジャンルのアニメを見たり、ゲームをやったりしています。
その中には、一人の女の子の前にイケメンがわんさか登場する、いわゆる女性向けのゲームもあるのですが……。正直、「壁ドン」や「床ドン」、「あごクイ」など見ていると、キュンキュンする気持ちもわかりますが、それよりも、なんだか恥ずかしい気持ちになってしまうのです。
そんな私でしたが、ひとつのゲームと出会います。そう、それが『A3!』です。
テレビCMやイベント情報などで目にする機会が増えてきたイケメン系ゲーム。「最新情報をお届けするライターとしては何も知らないままではいけない」と思い、試しに一度プレイしてみることに。
とはいえ、アニメは毎クール、嫁(女の子の推しキャラ)探しに勤しんでいる筆者。加えて女性向けに作られた乙女ゲーということもあり、楽しめるかどうか、という点はあまり期待していませんでした。※この後、若干のゲームのネタバレを含む内容となります。
●王道ストーリーで感情移入しやすい!
まず、『A3!』のストーリーを簡単に説明します。父が行方不明になっている主人公(プレイヤー)が、手がかりを求めて多額の借金を抱えた劇団「MANKAIカンパニー」を訪問。ひょんなことから劇団の監督兼主宰となり、劇団の再建を目指すことに。という流れです。
以前はお客さんで溢れた人気劇団だった「MANKAIカンパニー」。ゲームスタート当初は、ほぼ素人の団員が一人、ポンコツ支配人が一人、口が達者なオウムが一羽という、かつての面影が全くない状態です。
しかし、これこそ王道。例えば、強豪校だった野球部が落ちぶれ、弱小校となってしまう。あるいは、人気レストランがある出来事がきっかけで閑古鳥が鳴く閉店寸前の店になってしまう。そこからの復活、逆転劇は男女を問わず人気となる要素といえます。
『A3!』は、このようにストーリーの大きな軸ができているので「で、結局何の話だったの?」となりにくく、キャラクターに感情移入しやすい作り。
さらに、ストーリーの中で、細かくキャラの葛藤や交流を描いていて、推しメンでなくとも、つい応援したくなっちゃいます。
●キャラ同士のやり取りが秀逸
たとえストーリーが良くとも、長い時間テキストを追っていると飽きてしまいませんか? 私はそれが原因で、断念したスマホゲームが山ほどあります。
そんな私が『A3!』をプレイしていて感じたことは、単純にキャラ同士のやり取りが面白いということです。
第1幕では、謎の外国人・シトロンの言い間違いを、すかさず皆木 綴がツッコむという流れが軽快の一言。
細かいネタですが、シトロンの「オーツヅル、死んでしまうとはナニゴトカ」というセリフがツボでした。これは某有名ロールプレイングゲームに出てくるセリフのオマージュ(おそらく)。
果たして、ターゲット層であろう20~40代の女性にどれほど伝わるのでしょうか。そんなシナリオライターさんのチャレンジ精神に賛辞を送りたいネタです。