どのキャラクターも愛おしすぎる!観劇後はハッピー充電満タンに

『Kinky Boots』の魅力は、観劇後、漏れなく心が“ハッピーで満たされる”ことだと思っている。

観劇中はとにかく、喜怒哀楽+αの感情で心が忙しい。それは、エンジェルスをはじめ、登場するキャラクターがすべて愛おしすぎるのも理由のひとつ…!

チャーリ―とローラの出逢いのシーンに胸が高鳴り(ああ、これから物語が始まる…!)、チャーリーを想いながら歌い踊り狂うローレンに顔が緩み(分かる!恋をするとそうなるよね!)、ローラーとドンのボクシング対決に興奮し(二人の対決もそうだけどエンジェルスも気になる!)……さっきまで泣いていたのに、今はもう笑っている自分がいる。

でも、感情の行き来が忙しいわりに、それぞれのシーンの余韻に程よく浸れて、テンポよく次のシーンがやってくるのだ。

そして、フィナーレではそれまでの感情をすべて、“ハッピー”で包み込んでくれる。

個人的に好きなシーンが2つある。

ひとつは、ローラとエンジェルスが靴工場を訪れるシーン。

エンジェルスが登場するシーンはどれも大好きなのだが、このシーンは特に、彼女たちのホームである「ザ・ブルー・エンジェル・クラブ」ではなく、アウェイとも言える場で、堂々と踊り、そして工場の従業員たちを圧倒していく様が観ていて本当に胸が高鳴る。

そして顔のにやけが止まらない。そして、心の中で何度も叫んでしまう……「エンジェルス最高!」。

そして、やっぱりローレン(ソニン)のソロシーンは外せない!

「The History of Wrong Guys」は、ローレンの過去の恋愛遍歴とともに恋に落ちたチャーリーへの想いを、靴や工場の機械を小道具に使いながら歌うのだが、初演で漏れなくこのシーンでローレンにやられた。

今回の再演では、よりコミカルさが増しているように感じたが、大げさなほどローレンの気持ちを全身で表現する彼女を見て、あらためて大ファンになった。

ローレン(ソニン)がチャーリー(小池徹平)に亡くなった父とのエピソードを伝えるシーンは何度見ても涙が溢れる。

演出・振付のジェリー・ミッチェルが会見で「初演の3年前に“家族”ができた。

そしてみんなが揃って戻ってきてくれた」と話していたが、今回の再演で、個々の歌やダンスはもちろん、カンパニーの一体感がより一層増していると感じた。

東京・大阪公演を経て、さらにカンパニーの愛と絆は深まるはず。

この先もずっとこの二人がチャーリーとローラでありますように…

ブロードウェイミュージカル『キンキ―ブーツ』

【スタッフ】
脚本:ハーヴァイ・ファイアスタイン
音楽・作詞:シンディ・ローパー
演出・振付:ジェリー・ミッチェル
日本版演出協力・上演台本:岸谷五朗
訳詞:森 雪之丞

【キャスト】
小池徹平、三浦春馬、訴人、玉置成実、勝矢、ひのあらた、飯野めぐみ、白木美貴子、施鐘泰(JONTE) 他
5月28日(火)まで、大阪・オリックス劇場で上演中。当日券に関する詳細は、公式サイトにて。

女性向けWebメディアを中心に、ビューティーとエンターテインメント(主に舞台)の畑を行き来するフリーランス・ライター。2次元も3次元も作品のジャンル問わず、性別を超えた美しい人(&クセ強め)に心惹かれます。